2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノミクス情報を活用したブタの飛躍的改良を目指した育種システムに関する研究
Project/Area Number |
21248031
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 啓一 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10344706)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 卓郎 東北大学, 農学部, 教授 (90160407)
小林 栄治 独立行政法人家畜改良センター, 技術部, 課長 (00186727)
|
Keywords | ブタ / ゲノミクス / QTL解析 / 育種システム / MAS |
Research Abstract |
本研究は、ブタの産肉、肉質形質など量的形質を支配する遺伝子座(QTL)を特定するため、国内で実施した系統造成のブタを対象とした純粋種でのQTL解析を行い、その結果得られるゲノム情報を純粋種の改良に利用することにより、飛躍的に改良効率を高めるブタの系統造成システムの開発を目的とする。 昨年度、デユロック種のQTL解析の結果、33の形質について有意な領域が得られたので今年度は、脂肪蓄積に関する遺伝子の存在が示唆された第6番染色、筋肉内と背脂肪外層の脂肪酸C18:0とC18:1について有意な領域が検出された第14番染色体、さらに、筋肉内脂肪に関して有意な領域が検出された第13番染色体上に、それぞれ36個、43個、38個のマイクロサテライトを増やしてファインマッピングを行い、関与する遺伝子の探索を行った。その結果、脂肪蓄積に関与するQTL領域にレプチンレセプター(LEPR)遺伝子が存在し、SNP探索の結果、Exon14のc.2002C>Tの変異が全脂肪面積割合に関する遺伝分散の約40%を説明した。また、脂肪酸組成に関しては第14番染色体のQTL領域ピーク周辺にSCD遺伝子が存在し、プロモータ領域に2つのSNPがあり、皮下脂肪内層、外層、筋肉間、筋肉内脂肪のオレイン酸(C18:1)の全遺伝分散のそれぞれ17%、24%、9%、30.5%を説明することが明らかとなった。さらに、筋肉内脂肪に関してQTLが検出された第13番染色体の有意な領域にはPPARγとグレリン遺伝子が存在し、SNP探索により関連解析を行ったが、2遺伝子のSNP間で有意な差は認められず、他の遺伝子について検索中である。得られた結果が多集団でも応用可能かどうかを検討した結果、鳥取県畜産試験場のデユロック系統豚ではSCD遺伝子は有意な効果が認められた。しかし、LEPR遺伝子のSNP多型は皮下脂肪厚には関連せず、筋肉内脂肪に有意な差をもたらした。
|
Research Products
(7 results)