2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21248038
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬場 忠 筑波大学, 生命環境系, 教授 (40165056)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | マウス / 受精 / 着床 / 精子 / 卵子 |
Research Abstract |
受精と着床に関する応用基盤の構築を目指した基礎研究を行い、次のような成果を得た。まず、精子トリプシン様プロテアーゼACRとPRSS21をそれぞれ欠損するマウスの精巣上体精子を用いて、精子の卵丘細胞塊への侵入と卵丘細胞層通過でのプロテアーゼの役割を調べた。受精能獲得後に卵丘細胞塊へ媒精し、卵丘細胞塊表面、卵丘細胞塊の細胞外マトリクス、および卵子透明帯に存在する精子数を算出した。その結果、PRSS21欠損精子は野生型精子と類似した挙動であったが、ACR欠損精子の卵丘細胞層通過が有意に遅延していることが明らかになった。また、精子ヒアルロニダーゼSPAM1とHYAL5、およびACR、PRSS21を個別に精製し、卵丘細胞層分散を指標としてそれぞれの相互作用を検討したところ、その分散速度はヒアルロニダーゼ単独の場合と比べてヒアルロニダーゼとプロテアーゼを共存させた時に著しく増加することが明らかになった。しかし、ACRとPRSS21単独では卵丘細胞層の分散はほとんど見いだせなかった。これらの結果は、卵丘細胞層に存在するヒアルロン酸が卵丘細胞同士の接着で重要であるが、その維持にはセリンプロテアーゼ感受性のタンパク質も機能していることを示唆している。 一方、子宮と卵管分泌液に存在する受精能付与(促進)因子の同定とその機能の解析を行うために、マウス卵管分泌液から精製を試みたが量的な問題があり、ラットでも同様の操作を行った。精製標品をLC/MS/MSやNMRで分析したが、依然としていくつかの分子が混入しており、さらに精製が必要であることが判明した。また、この因子の機能を調べたところ、卵子と融合できない精子でも顕著に融合を促進できることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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