2012 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的な位置選択的官能基化を基盤とする精密有機合成
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21249001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 猛夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (50214680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 智之 京都大学, 化学研究所, 助教 (20432320)
古田 巧 京都大学, 化学研究所, 准教授 (30336656)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 位置選択性 / 有機触媒 / アシル化 / 配糖体 / 全合成 / 化学選択性 / 分子認識 / 遠隔位不斉誘導 |
Research Abstract |
Ellagitannin類は1910年代から知られている化合物群であるが、近年その抗腫瘍活性や抗ウイルス作用により、再度注目され合成法が盛んに検討されている。Ellagitannin類はグルコース4,6位に2つのガロイル基が酸化的カップリングしたヘキサヒドロジフェノイル(HHDP)基を持つ。これまでは4,6位以外を保護したグルコース誘導体をグルコースから6~7工程を経て合成し、その4,6位ジガロイル化により合成されている。一方、本研究では無保護グルコースを出発物質として、(1)アノマー位選択的ガロイル化、(2)4,6位選択的ガロイル化を鍵工程としたstrictininの全合成を検討した。D-グルコースのアノマー位選択的かつβ-選択的なガロイル基導入法をMitsunobu条件を用いることで開発し、目的とする配糖体を得た。有機触媒の存在下、1.1当量の保護した没食子酸無水物を用いてこの配糖体のアシル化を行うと、4位選択的なアシル化が進行する。系中で生成する保護没食子酸をそのままMitsunobu条件下に6位アシル化を行い、4,6-ジガロイル体をone-pot 、54%の単離収率で得た。本分子変換での4位へガロイル化は触媒制御であり、6位へガロイル化は基質の反応性に準拠している。4,6ーガロイル基の選択的脱保護、酸化的カップリング、MOM基の脱保護によりstrictininを、無保護グルコースより5工程で得た。さらに本法を利用し、tellimagrandinが2量化した巨大な構造を持つ配糖体天然物coriarin A全合成に向けた検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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