2009 Fiscal Year Annual Research Report
発生・分化におけるエピジェネティクス制御機構の解明
Project/Area Number |
21249016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仲野 徹 Osaka University, 生命機能研究科, 教授 (00172370)
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Keywords | エピジェネティクス / DNAメチル化 / 細胞分化 / 小分子RNA / 精子形成 |
Research Abstract |
初期胚、血液細胞分化、精子形成を研究対象に、(1) 初期発生におけるDNAメチル化制御因子PGC7/Stellaの解析、(2) マウスPIWIファミリー遺伝子の機能解析、(3) 血液細胞分化におけるエピジェネティック制御、をテーマに研究を展開した。 (1) では、PGC7/Stellaの、初期胚における能動的メチル化からのメチル基保護機構についての研究をおこなった。PGC7/Stellaがメチル化DNAを認識して保護するのか、ヒストンの修飾を認識して保護するのか、を、種々の変異を有するマウスES細胞を用いて解析した。その結果、PGC7/Stellaは、DNAのメチル化でなくHistone3のlys9(H3K9)のメチル化を認識して機能することが明らかとなった。また、受精卵においても、PGC7/Stellaは、H3K9のジメチル化を認識して、発生初期における能動的メチル化を阻害することが明らかとなった。 (2) では、マウスPIWIファミリー遺伝子のMILIとMIWIが結合する蛋白の検索をマス解析によりおこなった。その結果、ショウジョウバエの生殖細胞発生に必須な遺伝子であるTudorのマウス相同遺伝子の一つであるTDRD1が結合することが明らかとなった。TDRD1の遺伝子破壊マウスは、MILI欠損マウスと極めて類似していることから、TDRD1とMILIおよびの結合、および、結合がおよぼす影響についての解析をおこなった。その結果、TDRD1とMILIおよびMIWIが細胞内で結合すること、また、それぞれの発現の有無が、相互にその細胞内局在を規定することが明らかとなった。また、(3) では、赤血球分化に必須な転写因子であるGATA-1は、血液細胞発生におけるエピジェネティック制御の確立に重要な機能を有することが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)