2010 Fiscal Year Annual Research Report
発生・分化におけるエピジェネティクス制御機構の解明
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21249016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仲野 徹 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00172370)
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Keywords | DNAメチル化 / エピジェネティクス / 初期発生 / ヒストン修飾 / メチル化シトシン / ハイドロキシメチル化シトシン |
Research Abstract |
DNAのメチル化は、遺伝子のエピジェネティクス制御において極めて重要であることがわかってきている。中でも、受精直後に生じるグローバルな脱メチル化は、全能性の獲得において極めて重要であるが、その分子機構は不明のまま残されている。PGC7/StellaがDNAのメチル化に関与していることをすでに報告していたが、本年度は、DNAメチル化制御においてPGC7/Stellaが機能する際の分子機構の解析をおこなった。ES細胞を用いたヌクレアーゼ感受性試験、免疫沈降実験などから、PGC7/Stellaは、9番目のリジンがジメチル化されたヒストン3(H3K9me2)を含むクロマチンに結合することが明らかになった。また、受精卵においても、PGC7/Stellaの機能発現には、H3K9me2が必要であることも明らかにした。 DNAメチル化はシトシン残基の5位のメチル化(5mC)によって生じるが、最近、ハイドロキシメチル化が同部位に生じる(5hmC)こと、また、ハイドロキシメチル化が重要な生物学的意義を有している可能性が報告され、大きな注目を浴びている。このハイドロキシメチル化にもPGC7/Stellaが関与すること、また、その機能発現にもH3K9me2が関与している可能性を示唆する結果を得ることができた。これらの結果は、DNAのメチル化およびハイドロキシメチル化の制御においてピストン修飾が関与すること、および、初期発生においてはそのいずれにおいてもPGC7/Stellaが関与すること、を示している。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] MVH in piRNA processing and gene silencing of retrotransposons2010
Author(s)
Kuramochi-Miyagawa S, Watanabe T, Gotoh K, Takamatasu K, Chuma S, Kojima-Kita K, Shiromoto Y, Asada N, Toyoda A, Fujiyama A, Totoki Y, Shibata T, Kimura T, Nakatsuji N, Noce T, Sasaki H, Nakano T
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Journal Title
Genes Dev
Volume: 24
Pages: 887-892
Peer Reviewed
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