2009 Fiscal Year Annual Research Report
I型IFNs依存性造血幹細胞統御による新規疾患治療法の創成
Project/Area Number |
21249033
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
樗木 俊聡 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 教授 (50233200)
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Keywords | I型IFNs / IRF2 / HSC / ウィルス感染 / CML |
Research Abstract |
I型IFNsによる造血幹細胞(HSC)の運命決定制御機構を明らかにし、病原微生物感染における当該成果の意義を探求し、さらに新しい白血病治療法や骨髄移植法の開発に繋げることを目的として研究を行った。その結果、一過性のI型IFNsの刺激がHSCの増殖を、持続的なI型IFNsの刺激がHSCの分化に伴う減少を誘導すること、その分子メカニズムとして、前者はp27^<Kip1>、p57^<Kip2>などのCDK inhibitor発現抑制が、後者はHSCの自己複製に重要なThrombopoietin(TPO)受容体Mplの発現抑制が、各々原因であることが推定された。I型IFNシグナルを抑制する転写因子IRF2を欠損するマウスでは、持続的なI型IFNシグナルに起因する造血幹細胞の減少が観察された(Nat Med 15, 696-700 (2009))。さらに研究計画に従い、ウィルス感染時におけるHSCの性状を解析した。その結果、ワクシニアウィルス、ペルペス単純ウィルス、インフルエンザウィルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウィルスすべてにおいてIFN依存性のHSC増殖が誘導された。今後、IFN生産細胞を明らかにする予定である。さらにp210 BCR-ABL遺伝子を組み込んだpMSCVレトロウィルスベクターを骨髄細胞に導入し、同細胞を致死量の放射線照射マウスに移植することでマウス慢性骨髄性白血病(CML)モデル系を立ち上げた。今後、このCMLモデルを駆使してI型IFNsと従来の抗がん剤を用いた治療法を検討する予定である。
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Research Products
(27 results)