2011 Fiscal Year Annual Research Report
腸管マクロファージの免疫恒常性維持への寄与とクローン病におけるその破綻機序の解明
Project/Area Number |
21249048
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
日比 紀文 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50129623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 隆典 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (40245478)
久松 理一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60255437)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / マクロファージ / 腸内細菌 / NK細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
1.MCP-1依存性腸管マクロファージの恒常性維持における重要性:正常マウス腸管マクロファージはflow cytometryの解析から2つの分画に分かれ(LPマクロファージー1、2)、MCP-1欠損マウスではLPマクロファージー2分画の減少が認められた。このLPマクロファージ分画はIL-10高産生型であり、MCP-1欠損マウスではDSS腸炎誘発時にこのLPマクロファージー2分画のホーミングが傷害されており腸炎が増悪することを突き止め、腸管マクロファージの新たな機能解析の結果として既に平成22年度に論文発表した(J Immunol.2010 Mar 1;184(5):2671-6.)。さらに現在クローン病腸管マクロファージにおけるMCP-1の関与について解析を開始した。 2.IL-10欠損マウスLPマクロファージにおけるIL-23過剰産生のメカニズム解明:IL-10KOマウスのマクロファージからのIL-23過剰産生にはPAMPsよりも腸内細菌刺激が重要であり、特に菌体を貧食したのちのSTAT1を含めたシグナル伝達が重要であることを突き止めた。本研究成果は英文誌に論文として発表した(Clin Exp Immunol.2011 Apr;164(1):137-44.)。またマクロファージにおけるIL-12p40の転写制御にはNFIL3が重要であることを見出した(J Immunol.2011 Apr 15;186(8):4649-55.)。 3.Crohn病における腸管マクロファージの機能異常の解明と標的治療法の開発:クローン病腸管マクロファージがNK細胞からのIFNg産生に関与していること(GastroenterologySep;139(3)2010p882-92)、TL1Aを産生しIL-23とsynergisticな作用によりIFNg産生を増強させること(InflammBowelDis.2010 Apr;16(4):568-75)を明らかにした。さらに胆汁酸がTGR5を介してIL-12低産生型樹状細胞を誘導しうる(Immunology 2012 Jan 12.In press)ことも明らかにし、マクロファージや樹状細胞の機能制御がCrohn病の治療標的になりうる可能性を示した。
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Research Products
(14 results)