2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21249051
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 恵一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (20199227)
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Keywords | 神経科学 / 循環器・高血圧 / 生体分子 / 脳・神経 / 発生・分化 / 心臓 / 心不全 / LIF(白血病抑制因子) |
Research Abstract |
心筋増養上清の増養交感神経への作用を観察した。初代培養した交感神経細胞に対しLIFを投与したところ、交感神経から副交感神経に対し分化転換を惹起することを確認した。この培養実験系を用い、通常培養時と心不全時を模した状態(アンギオテンシン負荷、虚血再潅流負荷、過酸化水素負荷)の心筋細胞の培養上清を培養交感神経に投与し、副交感神経への分化転換が生じるか否かを観察したところ、心不全類似の刺激を心筋細胞に加えると心筋細胞はLIFとCT-1の発現が増加すること、心不全心筋の培養上清には交感神経を副交感神経に分化転換させる活性を有することを解明した。心臓特異的にLIFを過剰発現するマウスを作成するため、α-MHC-CreマウスとLIF-LoxPマウスを作成し交配した。このモデルを用いて心臓にLIFが過剰発現した際に交感神経が副交感神経するかを観察したところ、いわゆるgain of functionにより、交感神経の副交感化を観察した。3系統の異なるLIFの発現量を呈するラインが得られ、これらのマウスの心臓は心肥大を呈した。これらのマウスのうち、LIF発現量が中等度のものを観察すると交感神経が副交感神経化している様子が観察された。さらに、交感神経特異的にgp130の遺伝子発現をノックアウトしたマウスを作成した。これにより、loss of functionの実験を行った。交感神経特的にCre recombinaseを発現するマウスとgp130-LoxPマウスを交配し、交感神経特異的gp130欠損マウスを作成した。このマウスを用いて、大動脈縮窄等の心不全モデルを作成した。この交感神経特異的gp130欠損マウスと対照マウスを用いて交感神経の副交感神経化が観察されるかを観察した。対照マウスの心不全モデルでは交感神経g)副交感化が観察されたが、交感神経特異的gp130欠損マウスのでは観察されなかった。
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Research Products
(6 results)