2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21249060
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
上阪 等 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 准教授 (00251554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (30157622)
溝口 史高 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 助教 (60510360)
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Keywords | 関節リウマチ / 細胞周期制御 / サイクリン依存性キナーゼ阻害因子 / マクロファージ |
Research Abstract |
研究代表者らはサイクリン依存性キナーゼCyclin-dependent kinase(CDK)4/6の阻害因子であるp16^<INK4a>遺伝子を関節炎モデルに強制発現させると、滑膜細胞の増殖抑制することにより、関節炎を改善することを示した。 しかし、p16<INK4a>は滑膜細胞からの炎症性メディエーターの産生も抑制するが、主要な炎症性サイトカイン産生細胞であるマクロファージにおける作用は不明であった。このため、マクロファージにp16^<INK4a>を強制発現させたところ、LPS刺激によるIL-6発現が著明に抑制された。ところが、CDK4/6阻害剤やsiRNAによるCDK4のノックダウンではIL-6抑制作用は観察されなかった。p16^<INK4a>の強制発現では、IRAK1の分解が亢進しており、その下流のp38MAPK/JNKのリン酸化阻害およびAP-1の活性化が抑制された。IRAK1のノックダウンでも同様にAP-1の活性化は阻害された。プロテアソーム阻害剤の投与は、IRAK1の分解促進を阻害し、下流のp38MAPK/JNKのリン酸化を回復した。またp16^<INK4a>を発現させたTHP-1マクロファージにIRAK1を共発現させると、IL-6産生抑制が解除された。さらに内因性p16^<INK4a>を発現した老化マクロファージのp16^<INK4a>をノックダウンするとLPS刺激によるIL-6産生が増強した。以上のことから、マクロファージにおいて、p16^<INK4a>はCDK4/6非依存的にIRAK1のプロテアソーム依存的な分解作用を促進して、AP-1経路を阻害し、IL-6産生を抑制していることをわかった。IL-6は関節リウマチに深く関与しており、p16^<INK4a>誘導療法の特性の一端が明らかになったものと考える。
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Research Products
(5 results)