2010 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍・間質の血管新生シグナルを標的としたナノ粒子による革新的消化器がん治療戦略
Project/Area Number |
21249072
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前原 喜彦 九州大学, 医学研究院, 教授 (80165662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛地 吉弘 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80284488)
米満 吉和 九州大学, 薬学研究院, 客員教授 (40315065)
江頭 健輔 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60260379)
武冨 紹信 九州大学, 大学病院, 助教 (70363364)
吉永 敬士 九州大学, 大学病院, 特任助教 (90507790)
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Keywords | 腫瘍血管新生 / PLGAナノ粒子 / PDGFα受容体 / ラバマイシン / 虚血 |
Research Abstract |
研究2年目である本年度は、これまで検討を進めてきたPDGFRα/p70S6K系を介した腫瘍血管新生のメカニズム/そのシグナル系を遮断することによる抗腫瘍効果に関する具体的なデータを蓄積し、その有効性を検証した。特に前臨床試験(効能試験)としての位置付けを明確化するために、皮下腫瘍のみではなく、有効な治療法がない消化器癌の胸膜・腹膜播種モデル、肺転移モデルを中心に有効性に着眼した解析、つまり臨床的に非現実的な皮下腫瘍モデルに留まらず、臨床応用を想定した難治性がんの病態(胸膜播種、肝転移、肺転移)に即した動物モデルにおける詳細な検討を行った。 (1)ラバマイシン封入ナノ粒子の製造 本研究における理論を実証するため、ラバマイシン封入ナノ粒子の製造を完了した。薬剤濃度と封入率など、製造のバリデーションを完了し、臨床応用可能なスペックであることを確認した。 (2)消化器癌の腹膜播種モデル、肝転移、肺転移モデルに対するrapamycin封入PLGAナノ粒子による抗腫瘍効果の検討 初年度で得られた成績をもとに、これらのモデルに対するナノ粒子の治療効果を検討した。これについては現在、dose-effect相関を厳密に検索中である。 (3)臨床検体を用いたPDGF-AA/PDGFRα/p70S6K系活性化の臨床病理学的意義 動物実験での成果を裏付けするために、PDGF-AA/PDGFRα/p70S6K系の活性化と腫瘍血管新生・リンパ管新生に関する臨床病理学的検討、免疫組織科学的検討を特に肺がんで実施した。
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Research Products
(143 results)