2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21249074
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
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Keywords | 組織工学 / 気道 / 気管 / 再生医学 / 胸部外科学 / 人工気管 / 気管狭窄 / 臨床応用 |
Research Abstract |
本研究はこれまで我々が開発してきた自己組織再生型人工複合材料を用いて胸部外科領域の臨床で安全に使用し得る代用気管を開発することを目的として実験を行った。 我々は生体親和性の高いコラーゲンと人工材料をグラフト重合させた上にコラーゲンをコーティングしたコンポジットを用いて代用気管を作製し、動物実験において有用性・安全性を確認してきた。その結果2002年より京都大学医学部倫理委員会の審査を経て、現在までにすでに京都大学医学部附属病院ならびに福島県立医科大学病院において12例以上の患者に使用して良好な結果を得ている。しかしながらいずれも耳鼻科領域の頸部気管の再建であり、胸部外科領域の再建で安全に使える人工気管の改良を行うことを目的としている。 平成22年度に行った研究は下記の如くである。 (1)iPS細胞とTGF-b,b-FGF,HGFによる上皮形成促進実験 組織化を促進すると考えられるiPS細胞とサイトカイン(TGF-b,b-FGF,HGF)を、代用気管のマトリックス部分に複合化する技術を開発した。単にコラーゲンに含漬させただけでは初期にバーストしてしまうのでDDSを用いる方法を検討した。 (2)血管柄つき遊離移植術式の完成 再建部周囲に血流が乏しく組織化が遅れると生命に関わる症例にはあらかじめ大網内に埋殖して組織させた代用気管を用いる術式の方が安全と考えられる。そういった術式にも対応できるような新しい人工気管手術を完成させた。ビーグル犬を使った動物実験で気管の生着率と狭窄の出現率、血管造影で動脈のpatencyも検討した。 (3)動物実験例長期観察の総括とまとめ 動物実験で代用気管を埋め込んだビーグル犬を屠殺して安全性・効能・病理組織・再建部気管の物性解析をおこない評価した。それにより気管再建部中央に生じる狭窄は周辺血流再生の影響を大きく受けることを解明した。
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Research Products
(34 results)