2012 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の浸潤・転移機構の解明とその悪性度診断ならびに遺伝子治療への応用
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21249088
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高田 隆 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (10154783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正信 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20162802)
樋田 京子 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 特任准教授 (40399952)
工藤 保誠 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50314753)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 浸潤 / 転移 / 血管新生 / 微小環境 / microRNA |
Research Abstract |
1.悪性度診断マーカーとしてのPeriostinの応用 本年度は、我々が以前に口腔癌の浸潤に関わる因子として同定したPeriostinのリンパ管新生の促進という新たな機能を見出した。PeriostinはSrcやAktの活性化を介して、直接リンパ管内皮細胞の管腔形成や遊走能を促進するとともに、リンパ管新生に重要なVEGF-Cの分泌も促進することを報告した。また81例の口腔癌患者血清中に分泌されたPeriostinの発現量とVEGF-Cの発現量の関連およびそれぞれの癌の進行度、リンパ節転移の有無と比較検討したところ、血清中のPeriostinおよびVEGF-Cともに病期の進行とともに発現症例の増加が認められた。さらに、血清中のPeriostinおよびVEGF-Cを発現する症例で、リンパ節転移が認められた。従ってPeriostinは悪性度診断マーカーとして有用であると考えられた。 2. 口腔癌の浸潤に関わるmicroRNA、miR-203の標的遺伝子の同定 癌の浸潤過程において重要な役割を演じるmicroRNAに着目し、口腔癌の浸潤に関わるmicroRNAを同定するため、高浸潤能を有する細胞におけるmicroRNAの発現をmicroRNAアレイにより網羅的に検討し、すでに上皮間葉移行に関わることが報告されているいくつかのmicroRNAの発現低下が口腔癌の浸潤に関わることを見出した。中でもmiR-203に着目し標的遺伝子を検索したところ、基質分子としてNUAK1を同定した。NUAK1の過剰発現は口腔癌細胞の浸潤能を促進し、miR-203の過剰発現によって抑制された。従ってmiR-203の発現低下はNUAK1の発現を誘導し、口腔癌の浸潤に関わる可能性を新たに見いだすことができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)