2011 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国教育研究の再構築:地域研究と開発研究の複合的アプローチ
Project/Area Number |
21252007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 肖子 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (90377143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 美奈 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30298442)
黒田 一雄 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授 (70294600)
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Keywords | 比較教育学 / 地域研究 / 教育開発 / 研究手法分析 |
Research Abstract |
日本における比較教育学は、地域研究型と開発研究型のアプローチがそれぞれ独自に発展してきているが、相互に補完できる点や、実際には非常に類似した調査をしている者も多い。そこで本応募調査では、既存研究をマッピング、カテゴリー化したうえで、両アプローチの長所、短所を踏まえて、開発研究者と地域研究者がチームでフィールドワークを行い、各国でのマクロ-ミクロ分析の組み合わせと国別事例の横断的分析により、手法の展開と教育課題への対応を試みてきた。 本研究では、多くの途上国で同時に起きている政策変更が、教育行政の末端であり、受益者である村の教育ニーズや実態とどのように整合、不整合を起こしているかについて、「教育開発研究」で主に行なわれる政策や学校サイドの視点と、学校を社会から切り離さず、社会のダイナミズムの中に位置づけて理解しようとする「地域研究」的視点を組み合わせて分析している。 3年目にあたる平成23年度は、比較教育学における既存研究のマッピング及び、様々な手法やディシプリンのバックグラウンドを持つ研究者による、比較教育学の多面的な分析書を企画し、出版に向けて準備した。この本は、「比較教育学の地平を拓く:多様な学問観と知の共働」というタイトルで平成24年6月に刊行される運びとなっている。 また、開発研究者と地域研究者による共同フィールドワークは、モルディブ国で3回にわたって行われ、その成果は平成24年6月の日本比較教育学会全国大会で発表されるとともに、科研最終年である24年度は、モルディブ国への政策提言のためのワークショップや論文集などの形で発信していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、期間内に出版が実現する運びとなっている。また、当該研究分野での海外との研究交流も進み、研究代表者が国際会議の基調講演を行って発表したほか、英文出版の話も進行している。また平成24年度は、本研究の成果発信のため、東京での国際会議、モルディブ国での政策提言ワークショップ、報告書の刊行も予定しており、研究の蓄積、発信の両面において、予定通りの成果を挙げつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は、本課題研究の最終年にあたるため、成果取りまとめと発信に注力する。それと同時に、本研究期間に見出した更なる研究課題を次のプロジェクトにつなげるため、成果発信の国際会議の場を活かして、次の展開についての議論も深めたいと考えている。
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Research Products
(37 results)