2012 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ産オナガザル科霊長類の生存戦略と形態の関連
Project/Area Number |
21255006
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
五百部 裕 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (20252413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 千絵 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (40379011)
田代 靖子 株式会社林原生物化学研究所類人猿研究センター, その他部局等, 研究員 (60379013)
清水 大輔 (財)日本モンキーセンター, その他部局等, 研究員 (60432332)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | コロブス / グエノン / 採食生態 / 形態学的解析 / 進化 / 種間比較 / 国際研究者交流 / ウガンダ:タンザニア |
Research Abstract |
ウガンダ共和国カリンズ森林において、オナガザル科霊長類4種(ロエストモンキー:Cercopithecus lhoesti、ブルーモンキー:C. mitis、アカオザル:C. ascanius、アビシニアコロブス:Colobus guereza)とチンパンジー(Pan troglodytes)の行動観察を行い、採食や遊動域利用に関する資料を収集した。またオナガザル科4種の遊動域内でライントランセクト法による植生調査をおこない、果実と若葉のフェノロジーに関する資料を収集した。さらにチンパンジーを対象に、性ホルモン動態分析用の非侵襲的試料(糞・尿試料)を採集し分析を行った。その結果、ブルーモンキーとアカオザルの食物重複度が大きいのに対し、同じグエノンでもこれら2種とロエストモンキーとの重複度は大きくないこと、アビシニアコロブスはグエノンと同じ樹種を利用しつつも採食部位が異なること、さらにはチンパンジーの発情メスの数が彼らの遊動やパーティ構成の変化に影響を与えているといった点が明らかになった。また過年度に引き続き同所において、おもにロエストモンキーとアビシニアコロブスが採食している若葉および成熟葉を採取しその堅さを計測した。その結果、ロエストモンキーはブルーモンキーやアカオザルより堅い葉を採食していること、アビシニアコロブスは3種のグエノンよりはるかに堅い葉を採食していることが明らかになった。またこの結果と歯の形態的な特徴を比較したところ、ブルーモンキーとアカオザルは咬合面の起伏が高くないこと、ロエストモンキーは咬耗しやすい食物に対する適応のために咬合面の起伏(咬頭)が高くなっていること、アビシニアコロブスは咬合面の起伏が高いものの咬耗の進行に合わせて起伏が変化しないことが明らかになった。そしてこれらの成果を国際霊長類学会や日本人類学会大会等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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