2010 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける有毒微細藻類の発生と海洋生物の毒化機構
Project/Area Number |
21255009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福代 康夫 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (70095511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 卓朗 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 特任助教 (80507880)
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Keywords | 食中毒 / 貝毒 / 有毒微細藻類 / 水産資源利用 / 記憶喪失性貝毒 / 麻痺性貝毒 / ベトナム / フィリピン |
Research Abstract |
ベトナム中部の南シナ海に面するNha Phu湾において、二枚貝Spondylus versicoloreに蓄積する記憶喪失性貝毒のドーモイ酸の量と、それを生産していると考えられるPseudo-nitzschiaの仲間の珪藻が含まれるプランクトン画分のドーモイ酸の量の定期的観測を9月末まで、研究協力者のベトナム海洋研究所のDao Viet Ha博士に依頼して行った。S.versicolorのドーモイ酸は0-65μg/gの間で大きく変化し、3、6、9月の3回ピークが見られたが、プランクトン画分には8月末にしか検出できなかった。この原因としては、採集し分析できたSpondylus個体数が極めて少なく、個体間のばらつきが大きく影響したと考えられ、プランクトン画分にごく微量のドーモイ酸が見られた8-9月も含めて新たな毒化はなかったと思われた。また、同時期にもプランクトン試料中に毒生産の可能性のあるPseudo-nitzschia属珪藻が認められなかった。また、調査海域も悪天候が続き調査継続が困難であったため、今年度は継続していた調査を9月で打ち切った。フィリピンでは、情報提供依頼をしていた同国水産資源局から、サマール島太平洋岸のマタリナオ湾で有毒渦鞭毛藻Pyrodinium bahamenseによると思われる貝類の毒化現象が起こり、2名の中毒患者が出たことが知らされたが、培養株を作成することができず、研究が実施できなかった。また、マレーシアやインドネシア、タイで発生する有毒珪藻の含まれる資料を集め、種の同定について作業を始めたが、まだ培養株を作成できないため有毒種の確定に至っていない。ただ、これにより今後有毒な珪藻と渦鞭毛藻を集め、生理生態分析を行う基礎資料は集めることができた。
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[Presentation] Harmful microalgae in Southeast Asia2010
Author(s)
Takuo Omura, Mitsunori Iwataki, Valeriano M., Borj a, Hikumah Thoha, Leni G., Yap-Dejeto, Yukio Nagahama, Yasuwo Fukuyo
Organizer
Horiba International Conference New Direction of Ocean Research in the Western Pacific
Place of Presentation
東京大学大気海洋研究所(千葉県)
Year and Date
20101026-20101029
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