2009 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカに生息する小型草食獣の生体情報を使った環境評価、資源活用、家畜疾病の調査
Project/Area Number |
21255010
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
安田 準 Iwate University, 農学部, 教授 (20142705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 光敏 鹿児島大学, 農学部, 教授 (00174954)
福士 秀人 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10156763)
鈴木 正嗣 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90216440)
板垣 匡 岩手大学, 農学部, 教授 (80203074)
淺野 玄 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (30377692)
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Keywords | アフリカ・ザンビア / 小型草食獣 / 糞便中薬剤耐性菌 / 歯牙年齢査定 / 糞中ステロイドホルモン / 牛 / 糸状虫体 / 密猟監視 |
Research Abstract |
平成21年8月および22年3月に研究班員はアフリカ・ザンビアに出張し、海外研究協力者のザンビア大学獣医学部教員と協力して現地調査を行った。大学所在地のルサカから北東450kmに位置するサウスルアンガ国立公園で採材した。保護区域内に生息する小型草食動物(Puku, Imparaなど)の新鮮な糞便および接地していた土壌、近辺の水など合計112検体を採取した。またルサカ近郊のチャミヌカゲームランチ(野生動物を囲い込み、観光や狩猟目的の私的牧場)からも19検体を採取した。また同ゲームランチよりPuku, Eland, Impara, Lechweなどの解体時に年齢査定技術確立のための歯牙標本を得て、分析を進めている。サウスルアンガ採取材料74検体、チャミヌカ採取材料16検体から合計321株の大腸菌を分離した。薬剤耐性菌分離率はサウスルアンガで2.7%、チャミヌカで12.5%だった。Lechwe 5頭から得た糸状虫類14虫体について、形態学的および分子系統学的に解析しLechwe由来の6虫体はS.bicornata、8虫体はS.boulengeriと同定された。近隣の牛13頭から得た糸状虫類25虫体はS.labiatopapillosaと同定された。 小型草食動物の繁殖生理状況を非侵襲的に探索する手法を開発する目的で、野生のPuku, ImparaおよびゲームランチのLechwe糞中ステロイドホルモンをDELFIA時間分解蛍光で解析出来るか否かを検討した結果、迅速に繁殖に関わるホルモン検出が可能である手法を確立できた。また、密猟野生動物の肉の摘発活動をサポートする目的で、遺伝学的手法による「種判別方法」の開発に着手した。今年度は、ゲームランチ等で得た19種の野生動物と4種の家畜の組織からDNAを抽出し、PCRを行った。
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