2011 Fiscal Year Annual Research Report
環日本海域の有害性多環芳香族炭化水素類の発生・輸送・反応と曝露の国際比較
Project/Area Number |
21256001
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
早川 和一 金沢大学, 薬学系, 教授 (40115267)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥羽 陽 金沢大学, 薬学系, 准教授 (50313680)
亀田 貴之 金沢大学, 薬学系, 助教 (50398426)
唐 寧 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90372490)
|
Keywords | 日本海域 / 多環芳香族炭化水素 / ニトロ多環芳香族炭化水素 / 発生源 / 輸送 / 曝露 / モデル |
Research Abstract |
(1)2010年度代表者が主宰する日中韓露4か国共同研究体制により、ハイボリュームエアーサンプラーで毎季節2週間ずつ一斉連続捕集した浮遊粒子状物質のうち、わが国4都市(金沢、東京、札幌、北九州)及び中国4都市(北京、瀋陽、上海、福州)の試料について、PAH、NPAH濃度を超高感度HPLC-蛍光/化学発光検出法により分析した。昨年度の金沢に続いて本年度に測定が終了したわが国の残り3都市も加えて4都市の過去7年間(2004~2010年度)の結果に基づいて、汚染の推移を解析した。 (2)7年間を通して、都市によって濃度の推移は一様では無かったが、常にPAH濃度はNPAH濃度より高く、冬高夏低の季節変動を呈していた。 (3)大気中PAHの一つと,してbenzo[a]pyrene濃度を見ると、夏季は1/1.8、冬季は1/3.4に減少した。一方、NPAHの一つとして6-nitrobenzo[a]pyrene濃度を見ると、夏季は1/2.3、冬季は1/3.0に減少していた。金沢で見られたPAH、NPAHの減少傾向は日本全体で見られることがわかった。 (4)発見した発生源マーカ[NPAH]/[PAH]から主要排出源を見ると、この値は顕著に減少しており、以前は自動車が大気中PAH、NPAHの主要な発生源とされてきたが、排ガス規制の強化及び自動車の性能の向上によって、その寄与が著しく減少したと考えられた。 (5)現在、分析が終了していない中国、韓国及びロシアの都市の試料についてPAH、NPAH分析を進めるとともに、大気中PAH、NPAH濃度の推移と変化の要因を解析し、最近の東アジアの大気汚染の変化を明らかにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに2010年度に捕集したわが国4都市の大気粉じん試料のPAH、NPAH分析を終了し、過去12年間の推移と変化の要因を考察出来た。現在、中国、韓国、ロシアの大気粉じん試料の分析も順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
中国、韓国、ロシアの大気粉じん試料のPAH、NPAH分析が終了すれば、我が国の結果と併せて過去10年間の東アジアのPAH、NPAHの推移が初めて明らかになる。 この結果をシュミレーションモデル式に導入することにより、東アジアにおけるPAH、NPAHの動態モデルが初めて得られる。
|
Research Products
(38 results)
-
-
-
[Journal Article] Recent change in atmospheric polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs) and nitropolycyclic aromatic hydrocarbons (NPAHs) in Shenyang, China2011
Author(s)
Tang, N., Tokuda, T., Izzaki, A., Tamura, K., Ji, R., Zhang, X., Dong, L., Kameda, T., Toriba, A., Hayakawa, K
-
Journal Title
Environ. Forensics
Volume: 12
Pages: 342-348
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Mutagenicities and endocrine-disrupting activities of 1-hydroxy-2-nitropyrene and 1-hydroxy-5-nitropyrene2011
Author(s)
Kameda, T., Akiyama, A., Yoshita, M., Tachikawa, C., Toriba, A., Tang, N., Hayakawa, K
-
Journal Title
J. Health Sci
Volume: 57(4)
Pages: 372-377
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-