2009 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカとアジアにおいてデング出血熱の重症化を規定するウイルス遺伝子多型性の研究
Project/Area Number |
21256004
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森田 公一 Nagasaki University, 熱帯医学研究所, 教授 (40182240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 太 長崎大学, 国際連携研究戦略本部, 教授 (20253693)
井上 真吾 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (00346925)
久保 亨 長崎大学, 国際連携研究戦略本部, 助教 (50444873)
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Keywords | デング出血熱 / アジア・アフリカ / フラビウイルス感染 |
Research Abstract |
本研究はデング出血熱重症化のウイルス側要因をアジア、アフリカのデングウイルス活動地域においての現地調査活動をとおして明らかにすることを目的としている。平成21年度の調査においてはケニヤ、ベトナム、フィリピンにおいて患者サンプルを採取し、デングウイルスの分離を実施して、現地研究拠点と長崎大学熱帯医学研究所においてその免疫学的解析と遺伝子解析をおこない、当該地域における流行ウイルスの血清型、遣伝子型の同定を終了した。また現地で実施した患者末梢血のフローサイトメトリー解析から明らかにリンパ球系B細胞にウイルス感染をしめす症例が相当数ふくまれることを明らかにした。また出血熱患者から分離したウイルスのなかに培養B細胞に感染性を示す株が含まれていることを明らかにして発表した。さらにこのウイルスは今まで報告のないヒト細胞の膜蛋白分子を受容体として感染していることを突き止め現在発表準備中である。病原性に関連したウイルス側マーカーの検索については分離したウイルスの一部においてヒトのあるサイトカインの発現抑制を示すものが見つかった。現在、病原性との関連を統計的に解析するとともにウイルス側のどの遺伝子産物がこの抑制現象に関与しているかをリバースジェネティクスの技術を用いて解析している。 加えて平成22年度には調査地域をミャンマー、バングラデシュとインド地域にまで拡大する当初の計画であるが、すでに現地協力機関との調整が終了して、病院ベースの調査の基盤を整備した。
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Research Products
(19 results)