2010 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカとアジアにおいてデング出血熱の重症化を規定するウイルス遺伝子多型性の研究
Project/Area Number |
21256004
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森田 公一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40182240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 太 長崎大学, 国際連携研究戦略本部, 教授 (20253693)
井上 真吾 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (00346925)
久保 亨 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (50444873)
余 副勲 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30437842)
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Keywords | デング出血熱 / アジア・アフリカ / フラビウイルス感染 |
Research Abstract |
本研究はデング出血熱重症化のウイルス側要因をアジア、アフリカのデングウイルス活動地域においての現地調査活動をとおして明らかにすることを目的としている。平成22年度の調査においては平成21年度に引き続きケニヤ、ベトナム、フィリピン、および新規にバングラデシュ、ミャンマーにおいて患者サンプルを採取し、デングウイルスの分離を実施して、免疫学的解析と遺伝子解析をおこない、当該地域における流行ウイルスの血清型、遺伝子型の同定を終了した。また22年度は有史以来、初めてデングウイルスがネパール国の首都カトマンズに侵入したため急遽調査を実施し、同国低地のインド国境から侵入したウイルスが地球温暖化による影響を受けているカトマンズ地域に到達したことを分子疫学解析によりあきらかにした。平成21年度に発見した出血熱患者から分離したデング2型ウイルス変異株の解析は進展し、ヒト細胞上のSDC2が新規ウイルス受容体として同定された。現在この新規受容体を介する感染が病原性におよぼす影響を調査している。また分離したウイルスを用いてヒト細胞での高増殖をするメカニズムを解析した結果では、ウイルス2本鎖1RNAが感染細胞小胞体内に長くとどまり細胞質内のパターン認職受容体による検知をのがれることでウイルス抑制因子であるインターフェロンの発現を抑えるメカニズムを明らかにした。さらにフィリピンの患者抹消細胞中の感染細胞のフローサイトメトリ解析ではB細胞とNK細胞分画にウイルス抗原陽性例があることを発表した。
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Research Products
(4 results)