2011 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカとアジアにおいてデング出血熱の重症化を規定するウイルス遺伝子多型性の研究
Project/Area Number |
21256004
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森田 公一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40182240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 太 長崎大学, 国際連携研究戦略本部, 教授 (20253693)
井上 真吾 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (00346925)
久保 亨 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (50444873)
余 福勲 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30437842)
早坂 大輔 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (10346926)
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Keywords | デング出血熱 / 熱帯病 / 蚊媒介性 / 病原性 / デングウイルス |
Research Abstract |
本研究はデングウイルス感染症の重症化に関わるウイルス側要因をアジア、アフリカのデングウイルス活動地域においての現地調査活動をとおして明らかにすることを目的としている。平成23年度の調査においては平成22年度に引き続きケニヤ、ベトナム、フィリピン、バングラデシュ、ミャンマーにおいて患者サンプルを採取し、デングウイルスの分離を実施して、免疫学的解析と遺伝子解析を実施した。解析は現在も継続しているが、ミャンマーにおける重症例には1次感染において重症化している割合が15%を超えることを発見した。また、フィリピンとベトナムでデング出血熱患者血清中にはB細胞に感染すると思われるウイルス準種を確認し詳細な遺伝子解析を実施中であるが、ベトナムで採取した1つのウイルス準種は他の準種(B細胞感染性を持たない)と比較してアミノ酸変異を伴う遺伝変異は2個所しかなく、現在リバースジェネティクスにより人工ウイルスを作成することに成功し、B細胞感染性の分子基盤を確認している。さらにウイルス感染により刺激される血管透過性物質を探索するため、ヒト血管内皮細胞を用いて血管透過性を定量する系を開発してウイルス準種特異的にウイルス感染単核球培養細胞上清中の血管透過性亢進物質を探索しているが、今のところそのような物資の同定には至っていない。現在までに、採取したサンプルのうち20%を解析できた所であり、残りのサンプルについての検索を現在進行中である。
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Research Products
(13 results)