2010 Fiscal Year Annual Research Report
メニーコア・超並列時代に向けた自動チューニング記述言語の方式開発
Project/Area Number |
21300007
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片桐 孝洋 東京大学, 情報基盤センター, 特任准教授 (40345434)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 俊幸 電気通信大学, 情報理工学部, 准教授 (60361838)
須田 礼仁 東京大学, 情報理工学系, 教授 (40251392)
伊藤 祥司 東京大学, 情報基盤センター, 特任准教授 (70333482)
岩下 武史 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (30324685)
滝沢 寛之 東北大学, 情報学研究科, 准教授 (70323996)
|
Keywords | マルチコア / 超並列 / ABCLibScript / 並列実験 / 自動チューニング / 品質管理 / T2Kオープンスパコン / 実行時最適化 |
Research Abstract |
研究目的:情報社会の基盤を支える計算機が高度に並列化し多様化している。本研究の目的は、このような多様化した計算機で困難となった性能チューニングについて、自動チューニング(AT)を達成する方式、AT記述用言語処理系のプロトタイピングを行うことにある。本年度の研究実施計画と実績は以下の3点にまとめられる。 1.新ABCLibScriptの仕様の設計・プロトタイピング:AT記述言語ABCLibScriptのC言語版の新規開発を行った。非均質計算機環境への適用として、CPUとGPUの処理の切り換えATを実装し評価した。 2.4000コア超のマルチコア・超並列環境でのAT効果検証:(1)「無関連タスク問題」、「同一タスク問題」、「相関タスク問題」を定式化した。さらに無関連タスク問題、同一タスク問題の一部に対して、ワンステップ近似に基づく逐次実験計画手法を提案した。(2)既存のOpenCL実装の性能評価、新規OpenCL実装のための要素技術、およびOpenCL環境下でのプロセッサ自動選択方式の検討を行った。 3.開発言語の実用性を高めるための数値計算ライブラリ上の性能パラメタ調査(1)固有値ソルバ(もしくは一般の線形計算プログラム)には冗長計算と集団通信を併用するが、複数プロセスグループ間での通信を削減する実装方法ならびに、集団通信のアルゴリズム選択機構について研究を開始した。(2)線形方程式求解アルゴリズムの求解性能情報を分析し、そこから見出された事象に対して分析と改善を行った。反復法の収束判定、および前処理付きアルゴリズムの設計に起因する問題点を改善し研究成果としてまとめた。(3)電磁場解析における一般的な手法の一つであるFDTD実装法をさらに発展し、冗長な計算を必要としない新たな方法を考案した。複数のジョブを簡便に扱うジョブスクリプト言語と連携し、同手法上のブロックサイズをATするための枠組みを整備した。
|