2011 Fiscal Year Annual Research Report
大規模広域ネットワーク上での大容量ファイル高速転送のための中継サービス基盤技術
Project/Area Number |
21300024
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
鶴 正人 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 教授 (40231443)
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Keywords | 高速TCP / ファイル転送 / スケジューリング / 高機能中継ノード / 公平性 / Openflowスイッチ |
Research Abstract |
送信・中継・受信ノード間の高速データ転送プロトコルに関して、これまで開発してきた高速転送向きTCPの輻輳制御方式を改良し、Linux上の試作をネットワークエミュレータと実ネットワーク上で評価し、パケットロスの多い環境での効果を確認した。また、ノード間に複数の異種・不安定な経路がある場合にそれらを統合的に扱うことでTCPよりも転送完了時間を短縮できる方式の改良も進めた。 ファイル中継の空間的時間的な最適スケジューリングに関して、これまで研究してきた複数のフロー転送の競合を回避し各フローの転送完了時間(応答時間)を短縮するデータ中継転送スケジューリングの基本方式を、多様なファイル長の混在状況に対応させ、蓄積・中継ノードの配置方式も含めて改良し、計算機シミュレーションによって分析を行い、効果を確認した。それに基づき、送信ノードとネットワーク内(ボトルネック手前)ノードでの多段の蓄積の有効性を示唆した。また、2つのノード間でTCPベースの転送を行っている場合に経路上のルータが状況に応じて転送途中のTCPを分割して動的な中継ノードとなって転送する方式や、高次数の中継ノードへの通過フローの集中を回避する経路制御方式も検討し、計算機シミュレーションによって効果を示した。 一方、新世代ネットワークのためのツールとしても注目されているOpenflowスイッチを使った小規模実験ネットワークを構築し、OpenFlowスイッチとコントローラの連携による中継スケジューリングを試作し実証実験を行った。また、経路の動的な最適化について、OpenFlowスイッチでの経路変更の時間粒度の最適化のための基礎実験を行った。 以上のように、プロジェクト終了にあたって、改良や実機実験の成果を論文誌、国際会議、国内研究会において発表し、アプローチとしての有効性を立証したと言える。ただし、更なる向上、要素の統合、一般化が残されている部分もあり、今後も研究を継続的に進めていく。
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