Research Abstract |
ユビキタス社会の到来に備え,そのネットワーク基盤を安心・安全に利用出来るためには,悪意のある改ざんや破壊が行われた場合に、法的手段や訴訟を行うためにデータ請査/分析を行うことを可能とするデジタルフォレンジックが重要となる.本年度は,下記の方式について,研究を進めた. 1)証拠の高信頼な収集方式無線ネットワーク機器が自律分散的に使用する周波数やチャネルを決定するための方式について検討を進め,2.4Ghz帯のWi-Fiを前提に,効率的なチャネル決定アルゴリズムを提案するとともに,その定量的な評価を行いその有効性を明確にした.更に,無線アドホックNWを構築するためには,ノード密度や帯域幅が,通信の性能(遅延時間やスループット等)にどのように影響するかを理論的に解明する必要がある.このため,本年度は,ルーティングアルゴリズムと通信性能との関係を数学的なモデルで定量的に解析した. 2)攻撃の検知方式の拡張証拠の収集タイミングを適切に行うためには,攻撃の検知方法が重要である.今年度はこれまで検討してきたルールベースの検知方式を拡張し,攻撃パターンを大規模非線形問題と検討した.具体的には,通信ログをモニタリングし,離散フーリエ展開,サポートベクターマシン,自己組織化マップ,SURF等の様々な特徴抽出方式により得られた情報を,報酬を考慮した主成分分析(RWPCA)により圧縮する.圧縮された情報を強化学習を用いて学習することにより,(1)観測された情報から特定のパターンを抜き出すためのパターン認識方式,及び(2)複数の非線形時系列から抽出された情報に基づく非線形時系列予測方式を開発した.
|