2011 Fiscal Year Annual Research Report
時間スケールの階層構造を用いた情報システムの制御アーキテクチャ設計
Project/Area Number |
21300027
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
會田 雅樹 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (60404935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今瀬 眞 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (30346176)
村田 正幸 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80200301)
高野 知佐 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (60509058)
多田 知正 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (10301277)
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Keywords | 情報システム / 情報通信工学 / 自律分散制御 / 局所相互作用 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であり,以下の3つの研究課題が全体として本研究の全体のテーマである階層アーキテクチャ設計技術へと収束するよう連携を計りつつ研究を進め,以下の研究成果を得た. ・研究課題(1)動作時間スケールの階層構造による機能間の干渉防止と相互補完性の実現技術の検討:ユーザとシステムの相互作用によってユーザの再試行動作による輻輳が増幅される現象が深刻な問題となってきているが,この現象を理解するために提案してきた準静的アプローチを,新しく「くりこみ変換」の枠組みで整理し,複雑なネットワークに対する階層的な設計・運用技術のための新しい方法論を明らかにした. ・研究課題(2)動作時間スケール階層毎の制御機構の設計と組み合わせによる相互補完効果の実証:くりこみ変換と逆拡散ポテンシャルを用いた新しい自律分散制御技術の提案と,アドホックネットワークを対象とした自律的な階層構造形成技術への応用を行った.また,多様なくりこみ変換を導入することにより,ネットワークの階層構造の自律生成アルゴリズムの高速化や,階層構造の漸近的安定性保証技術を実現した.また,結合振動子のカオス的な性質を利用してネットワーク資源を効率的に使用可能とする自律分散アルゴリズムの提案を行った. ・研究課題(3)動作時間スケールの分離により環境適応性を持つアプリケーションネットワークの実現:近接作用に基づく自律分散制御については,ノードが直接リンクで結合されていない間接網の分散システムにおいて,仮想的に定義した隣接ノード間の近接作用に基づく制御手法が有効であることを示した.また,環境適応性を持つネットワークの適用として,大規模分散システムにおいて機器の電力比例性の向上に伴いネットワークが電力消費に与える影響が増大することを明らかにした.
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Research Products
(29 results)