2009 Fiscal Year Annual Research Report
大規模ネットワーク型データからの体系的な信頼度付き情報取得システムの開発
Project/Area Number |
21300031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白山 晋 The University of Tokyo, 人工物工学研究センター, 准教授 (10322067)
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Keywords | ネットワーク / 大規模データ / 情報信頼度 / 集合知 / 可視化 / コミュニティ構造 / 認知特性 / 進化ゲーム理論 |
Research Abstract |
広域分散化するデータや情報に対して,集合知やネットワーク知という観点から有用な情報を,個人情報を考慮しながら取得するために,ネットワーク構造を活かした情報取得の方法・方法論を提案する.このために,大規模な動的ネットワークの構造分析手法と部分的情報からのネットワーク全体推定法の確立,ネット社会の自由を配慮したネットワーク構造を利用した情報の信頼度算出法の確立,視認性が高くわかりやすい情報提示法の確立を目的とし,多くの対象に適用可能な,大規模ネットワーク型データからの体系的な信頼度付き情報取得システムの開発を試みている.平成21年度においては,機能からの系統的ネットワーク構造探索,コミュニティ構造の類型化によるメソ構造の抽出と推定,および人間の認知特性を考慮した情報提示の基礎的な部分に焦点を絞り研究を遂行し,ネットワークがもたらす機能とネットワーク構造の異質性(次数分散とベキ乗指数)が密接に関係すること,進化ゲーム理論に基づくモデルの階層化によって機能からの構造推定の効率化に寄与する素過程が顕在化されること,信頼度算出の基礎となるネットワーク上での情報伝播に対するコミュニティの影響を明らかにした.また,情報伝播においては,陽のコミュニティ,および潜在リンクを考慮する必要があることを示し,それらが制御でき,伝播シミュレーションに利用可能なネットワーク成長モデルを提案した.このように情報取得システムのいくつかの要素技術を構築するための知見が得られたものの,コミュニティ構造のさらなる考察や情報提示における人間の認知特性の考慮が重要であることが明らかになった.来年度において,陽なコミュニティと陰的コミュニティ構造を利用した信頼度の算出法,および認知特性を十分に加味した情報提示法の確立を目指す.
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Research Products
(10 results)