2010 Fiscal Year Annual Research Report

映像コーパスを用いたビデオオントロジー構築を支援する共同利用型テストベッドの実現

Research Project

Project/Area Number	21300039
Research Institution	National Institute of Informatics
Principal Investigator	片山紀生国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 准教授 (60280559)
Keywords	情報システム / コンテンツ・アーカイブ / ディレクトリ・情報検索 / 映像コーパス / ビデオオントロジー
Research Abstract	近年の計算機技術の進展により、大規模な映像コーパスを構築できる時代になっている。映像コーパスは、映像検索や映像理解のための知識源として有用であると考えられるが、これまでの取り組みから、映像コーパスを活用するには、テキスト処理における辞書に相当する『ビデオオントロジー』の構築が不可欠であることが明らかになっている。では、そのようなビデオオントロジーをどのようにして構築するかであるが、原始的ではあるがひとつひとつ人手で積み上げていくしかない。本研究の目的は、このような知識の積み上げを効率的に行うための『共同利用型テストベッド』を実現することにある。ビデオオントロジーの構築に必要とされる映像コーパス、計算機クラスタ、Ground Truth作成環境を多数の研究者が効率的に利用可能なプラットフォームを実現することで、ビデオオントロジー構築のハードルに対して突破口を開くことを目指している。本年度は、映像コーパスに蓄積されている大量のニュース映像を効率的に閲覧するための表示方式として、複数チャンネルの映像同士を照合することで出現チャンネル数を計測し、出現チャンネル数が多いものほど大きく表示するタグクラウド型の表示方式を考案し、試作中のテストベッドを用いて実装した。本手法は、複数チャンネルを活用した情報フィルタリングと見ることができ、放送局によるソーシャルフィルタリング、または、放送局による人気投票とも見なせるものである。6チャンネル×1ヶ月の数千時間の映像を対象に評価実験を行い、大規模映像コーパスに対する閲覧方法としての有効性を検証した。