2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21300042
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木島 竜吾 岐阜大学, 工学部, 准教授 (80283282)
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Keywords | 頭部搭載型ディスプレイ / 頭部搭載型プロジェクタ / 虚像プロジェクタ / バーチャルリアリティ / 結像光学系 / 再帰透過性 / 再帰反射 |
Research Abstract |
広画角化を検討するために,半径60mmの単純な球面上に再帰反射を起こす小型コーナーキューブプリズムを配置し、結像を確認した. 従来実験的に結像を確認していた平面板への配置の場合には、透過要素→再帰反射要素or反射要素→反射要素 or 再帰反射要素→透過要素の順に光線が通過するが、透過要素による屈折は問題とならなかった.しかし球面板にコーナーキューブプリズムを張り込んだ構造では,透過要素→反射要素→透過要素→再帰反射要素→透過要素→透過要素、と,経由する透過要素の数が多くなること、透過要素が曲面であること,投影画素の位置により入射角が大きく変わることから,透過要素における像の乱れが大きな問題であることが判った.透過要素数を減らすための追加加工を行い,像の品質が向上することまでを確認している. また,再帰透過光学素子の構造を検討し、新たに分離クロスミラー型の微細構造を案出した.これは,面の法線方向にそった長い冊状の平面鏡を多数平行に並べた光学素子を2枚張り合わせた物である.製作法を検討した結果、微細機械切削により実現可能であることが判ったため、試作を行った.この構造形式は光の利用効率は良くないものの,2枚の素子を互いに回転させることにより再帰透過の精度(角度オフセット)を変更することが出来るために、基本的な結像性能の確認のためには好適であると考えている.また,鏡面列の平行度さえ保たれていれば、事後的に精度を確保することができるため,コーナーミラーアレイ型では再帰透過精度が十分得られない場合には考慮に入れるべき構造であろう.
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