2009 Fiscal Year Annual Research Report
電子ホログラフィによる実時間3次元撮像・3次元ディスプレイシステムの開発
Project/Area Number |
21300044
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
佐藤 邦弘 University of Hyogo, 大学院・工学研究科, 准教授 (40167432)
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Keywords | ホログラフィ / 3次元像 / 複素振幅ホログラム / ワンショット記録 / 空間ヘテロダイン変調 / 高分解能 / インライン / 開口数 |
Research Abstract |
本年度研究の第1の目的は、複素振幅インラインホログラムのワンショット記録法を開発することである。 まず、前年度までに開発したワンショット記録法についてデータ補間を改善して正確な複素振幅インラインホログラムを得る方法を開発すると共に、任意位相分布の参照光を用いてワンショットショット記録できるように記録法の一般化を行った。また、視野角の広い複素振幅インラインホログラムを正確に単一ショット記録する方法として、空間ヘテロダイン変調と空間周波数フィルタリングを利用するワンショット記録方法を開発し、ホログラムの視野角を記録可能限界まで拡大することに成功した。さらに、光学実験を行ってワンショット記録法の有効性を評価し、球面波のような一般的な参照光を用いて高画質の広視野3次元像を瞬時記録できることを示した。 本年度研究の第2の目的は、大深度高分解能3次元実時間撮像のために大開口数複素振幅インラインホログラムの記録法を開発することである。 これに関してまず、大開口数ホログラムを物体照明光の照射角を変えながら1枚のCCDを用いて逐次分割記録する方法を提案した。葉脈標本の記録再生の実験を行い記録ホログラム枚数の増加につれて分解能が向上することを確かめると共に、高分解能を達成するためには照射光の位相分布を正確に記録する必要があることを指摘した。さらに、大開口数の複素振幅インラインホログラムを1枚CCDを用いてワンショット記録する方法を開発した。USAFテストターゲットを用いた記録・再生実験を行い、分解能として1.5μm以下の値を得た。また、分解能は球面参照光の開口数によって制限されていることと、開口数の大きい参照光を用いれば通常の光学顕微鏡と同程度の分解能が得られることを示した。さらに、この提案法を利用したレンズレスホログラフィック顕微鏡の実用化の可能性について論じた。
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