2010 Fiscal Year Annual Research Report
機械学習に基づく画像認識処理の進化的自動構築に関する研究
Project/Area Number |
21300050
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
長尾 智晴 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (10180457)
|
Keywords | 人工知能 / 知能ロボティクス / 機械学習 / 情報システム / 知能機械 |
Research Abstract |
本研究では構築に膨大な労力と時間を要する画像認識プロセスを,事例に対する機械学習を通して自動構築・最適化するための情報処理技術を研究をしている.平成22年度の成果を次に示す. 1.画像認識自動構築のための進化的条件判断ネットワークEDENの開発 平成21年度に開発したGIN(Genetic Image Network)と称する,進化計算法を用いて画像認識回路を自動構築する方式を"人にとって分かり易い処理構造を作る"という観点から改良することで,進化的条件判断ネットワークEDEN(Evolutionary Decision Network)と称する方式を開発した.本方式は,一般に人が理解し易いとされる木構造を用いて分類を行う決定木(decision tree)を包含し,複数入力・複数出力のネットワーク構造へと一般化したものである.本方式は,平成22年度の成果として横浜国立大学から特許出願された(特願2010-2217177). 2.進化的条件判断ネットワークEDENの性能の検証 開発したEDENを分類性能を評価するための各種のベンチマーク問題に適用し,EDENによって特徴空間中に適切な部分空間が形成されることを確認した.さらに,より現実的な問題として医用画像処理(カプセル内視鏡画像の正常/異常判定),ITS(Intelligent Transportation System)の画像処理(歩行者/非歩行者の分類),一般物体認識問題(画像中の自動車の領域を決定する問題)などに適用したところ,従来法より優れた分類性能をもつことを確認した.またEDENによって,人にとって直感的に理解し易い分類処理を構築することができることを確認した.本方式はあらゆる画像分類・画像認識問題に適用することができる有効な方式である.
|