2009 Fiscal Year Annual Research Report
触覚/嗅覚情報を提示する回想法を用いた音楽療法システムの研究
Project/Area Number |
21300088
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
大島 千佳 National Institute of Information and Communications Technology, ユニバーサルメディア研究センター超臨場感システムグループ, 専攻研究員 (10395147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 功一 独立行政法人 情報通信研究機構, ユニバーサルメディア研究センター超臨場感システムグループ, 専攻研究員 (50418498)
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Keywords | 楽器 / 香り / 認知症 / QOL / 道具 / 介護 / 合奏 |
Research Abstract |
高齢者介護施設で行われる音楽療法では,その効果を高めるために,高齢者の演奏意欲を引き出し,個人でも日常的に音楽との関わりを継続する仕組みが重要である.本研究では,音楽療法において,触覚/嗅覚情報を提示する回想法(過去の回想を行う療法の一種)を取り入れることで高齢者の演奏意欲を増大させ,個人でも継続的に使用できるシステムを提案し,日常生活の自立を促す.今年度は,連携研究者であり認知症患者のリハビリを専門とする安田清博士の指導の下,回想法事業が盛んな北名古屋市の回想法センターや歴史民俗資料館で資料収集を行い,回想法の第一人者である先生を訪問した.また,音楽療法における民族音楽の楽器の有用性を探るため,楽器博物館で資料収集を行った.これらの資料をもとに,回想法に使用される道具への香りの付与を目的に,香りと画像との関係について検討した.その結果,香り単独からは,何らかの物を想起しにくい場合でも,香りを画像とともに提示すると,その画像に含まれる物の香りとして判定されることがあった.ここから,道具ごとに香りを準備しなくても,複数の道具の本物らしさを強調できる香りを突き止めることで,香りの道具への付与が容易になることが示唆された.来年度は,回想法に使われる道具への付与に適した香りの種類を示し,さらに回想法で香りを使用することの有用性を示すことを目指す.また今年度は,高齢者の回想法に使用する楽器のインタフェースについて検討を行った.来年度は,合奏支援楽器を製作し,認知症患者に使ってもらいながら,さらにインタフェースの改良を行う.
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Research Products
(1 results)