2010 Fiscal Year Annual Research Report
触覚/嗅覚情報を提示する回想法を用いた音楽療法システムの研究
Project/Area Number |
21300088
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大島 千佳 佐賀大学, 工学系研究科, 客員研究員 (10395147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 功一 佐賀大学, 工学系研究科, 准教授 (50418498)
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Keywords | 演奏支援 / 認知症 / 常同言語 / 触覚デバイス / 回想法 / 香り |
Research Abstract |
本研究では,音楽療法において,触覚/嗅覚情報を利用する回想法を取り入れることで,高齢者の演奏意欲を増大させ,個人でも継続的に使用できるシステムを提案し,日常生活の自立を促すことを目指す.今年度は,音楽に関する2つのシステムを製作した.1つは,高齢者を対象とした演奏支援システムである。ユーザが歌いながら,椅子の肘掛に装備されたタッチパッドを叩くと,システムは歌っている箇所に合う伴奏を,叩くタイミングに合わせて奏でる.各高齢者の馴染みのある歌で容易に演奏できるため,演奏の開始意欲を引き出すことができる.2つめのシステムでは,重度の認知症者が精神的な症状により叫びや発話を繰り返す状況において,ユーザが鍵盤またはパソコンのキーを1つ押すと,認知症者の気持ちに寄り添い,徐々に静穏化するカデンツ(終止に向かう和声進行の音楽)を奏でることができる.認知症者の不安定な気持ちに寄り添うために,カデンツは不協和音から始まり,協和音で終わる.さらに,認知症者の叫びや発話をリアルタイムに音高(ドレミなど)へ変換する技術を利用し,カデンツはその変換された音高を最高音とする和音から始まる.システムは,ユーザの押鍵によりカデンツをすぐに何度でも奏でることができる.よって,音楽知識の乏しい介護者でもシステムを容易に利用できる点に意義がある また,触覚情報を利用する(高齢者に提示する)方法を明らかにするために,2台の触覚提示デバイスを利用した触覚情報の通信に関する心理物理実験を行った.実験のために,通信遅延を操作できるように触覚提示デバイスの制御装置を改良した
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Research Products
(5 results)