2009 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルバイオロジーにおける創薬をめざす化合物情報解析のための統計的方法論の開発
Project/Area Number |
21300109
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
松浦 正明 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌研究所がんゲノム研究部, 部長 (40173794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 敏 財団法人癌研究会, ゲノムセンター, 研究員 (60360343)
牛嶋 大 財団法人癌研究会, ゲノムセンター, 研究員 (60328565)
星川 裕 財団法人癌研究会, 癌研究所がんゲノム研究部, 研究員 (80280626)
磯村 実 財団法人癌研究会, 癌研究所がんゲノム研究部, 研究員 (40272497)
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Keywords | 統計数学 / バイオインフォマティクス / 創薬 / 生体生命情報学 / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
創薬のシーズ探索における必要条件として、毒性が低く、高い生物学的活性を示す新規化合物が必要がある。一方、同一の低分子化合物であっても、生物活性は種々の細胞に対して多様性がある。この多様性を統計学的に評価して創薬のシーズとなる新規化合物を探索するための方法論の確立のため、研究協力者の矢守隆夫部長(癌研)より提供を受けたヒトがん細胞株39系(JFCR39)に対する3700化合物にわたる細胞増殖阻害に関するオリジナルデータソースを使用し、従来より用いられてきた生物学的活性指標である50%増殖阻害剤濃度(GI50値)に対して併用可能な新規の生物学的活性指標を開発した。これら指標の開発のため、本研究では3700種の化合物のがん細胞株39系におけるGI50値のオリジナルデータの整備を行い、細胞増殖曲線データを用いた生物学的活性指標の開発を進めた。現在、これら新規生物学的活性指標の有効性の検証を進めている。さらに本研究課題と密接に関連する手法として、細胞株の遺伝子発現情報と疾患の表現型との関連を調べるための手法としてGolubらが開発したConnectivity Mapに関しても、その有用性と問題点に関して統計学的見地からの検討を進めた。 本年度の研究成果報告に関しては、今後の創薬研究に資するための有効な抗がん剤効果を乳がん患者に関して調査した論文を2編、Connectivity Mapの実際の利用における統計学的問題点を10月の癌学会で報告した。さらに3月には統計数理研究所のリスク解析戦略研究センターとの共催で、「分子診断研究のための統計的手法の開発:研究成果と今後の課題」の研究集会を行ない、今後の研究開発の方向性に関して関連研究者と討論を行った。
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Research Products
(5 results)