2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21300112
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡 浩太郎 Keio University, 理工学部, 教授 (10276412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 啓 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70324548)
堀田 耕司 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (80407147)
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Keywords | 成長円錐 / 神経回路形成 / セカンドメッセンジャー / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 蛍光タンパク質センサー / マルチカラーイメージング / システム生物学 / 定量生物学 |
Research Abstract |
成長円錐内のセカンドメッセンジャー(カルシウム、cAMP cGMP)間のクロストークを実験的に明らかにするとともに、それらの知見を統合して理解するための計算機シミュレーション基盤を整備するための研究を進めた。 細胞内の複数のセカンドメッセンジャーを可視化する方法として、複数の蛍光共鳴エネルギー移動型センサーを単一細胞に導入し、それらを同時イメージングする技術の開発に成功した。この方法では単一波長で励起した2種類のセンサータンパク質からの4種類の蛍光を同時取得するために至適なセンサータンパク質と光学系の開発を進め、心筋細胞でのカルシウムおよびcAMPの同時計測に世界で初めて成功した。また従来より10倍程度高感度な新規cGMPセンサーを作製することもできた。また単一細胞から同時に3種類のセカンドメッセンジャーを可視化する方法についても研究を進め、Hela細胞からカルシウム、cAMP,cGMP濃度の同時計測に成功した。この研究では世界最短波長のcGMPセンサーも開発した。 モデル研究としては、従来研究を網羅的に調べることにより、カルシウム、cAMP,cGMPの定量的モデル作りを進め、実際に成長円錐内での濃度をシミュレーションすることができることを確かめた。また成長円錐のかじ取り方向を決める要因として、局所でのカルシウム濃度上昇を把握することが重要であることを見出し、細胞内からカルシウム動員を行うことが知られているオルガネラの細胞内配置について研究を今後進めることとした。このような研究には特定オルガネラ発現する蛍光マーカータンパク質と細胞内カルシウム動員を同時可視化することが今後必要となる。
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