2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21300112
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡 浩太郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10276412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 啓 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70324548)
堀田 耕司 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (80407147)
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Keywords | 成長円錐 / セカンドメッセンジャー / Ca / サイクリックAMP / サイクリックGMP / 蛍光イメージング / システム生物学 / 定量生物学 |
Research Abstract |
近年成長円錐のガイダンスメカニズムについて種々の細胞内セカンドメッセンジャーの相互作用が重要であることが指摘されてきており、特にcAMP/cGMP濃度比により細胞内カルシウム動員の違いに着目した研究が進められてきているが、これらセカンドメッセンジャー間のクロストークについて調べた研究は少ない。そこで本研究では当研究室で開発してきた複数のセカンドメッセンジャーを同時可視化する方法を成長円錐に適用することを試み、細胞骨格系制御との関係を調べた。成長円錐内セカンドメッセンジャーを個別に可視化することにも成功した。計測は共焦点レーザー顕微鏡、近接場顕微鏡、通常の蛍光顕微鏡を併用して行ったが、通常観察を行っている画像取得間隔、励起光強度では30分以上の成長円錐の動態観察は困難であり、特に活発に活動していた成長円錐が萎縮・退縮することが頻繁に見られた。そこで励起光強度を絞り、また画像取得間隔を種々変えて観察条件を調べてみたが、適切な条件を見出すことが難しかった。そこで蛍光顕微鏡光源を通常のハロゲンランプからLED光源に変更し、励起光強度をファインに調整することにより、1時間弱の間伸展している成長円錐の細胞内カルシウムイオン、cAMP,cGMP濃度計測に成功した。また2種類のFRET型蛍光タンパク質の神経細胞内導入を進めており、特に運動性が高いグリア細胞については形態変化が激しい成長円錐先端部位において、画像解析(輪郭抽出、アファイン変換、光ムラ修正、線形蛍光輝度分離)を行うことにより、cAMPとcGMP濃度の同時計測に世界で初めて成功した。これにより細胞周囲と中心部に向かってのこれらのサイクリックヌクレオチド濃度変化を経時的に調査することができた。また神経線維部位におけるアクチン骨格の重合・脱重合が拡散律速支配を受けていることも明らかにできた。
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Research Products
(3 results)