2012 Fiscal Year Annual Research Report
大脳新皮質における神経細胞の発生および維持に関与する分子機構の解析
Project/Area Number |
21300122
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞田 佳門 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50431896)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 神経細胞移動 / 神経前駆細胞 / 神経保護 / GPCR / AMPK / ALS / Nfil3 |
Research Abstract |
従来の研究から、神経変性疾患の一つである筋萎縮性硬化症モデルマウス (ALSマウス)において、転写因子Nfil3を過剰発現すると、ALSの進行が顕著に遅延することが判明した。そこで本研究では、Nfil3が神経保護を担うことを直接的に調べた。その結果、Nfil3の発現に伴って、motor axonの数の減少が抑制されていた。また、脊髄前核における運動ニューロンの数の低下が顕著に緩和されていた。このことからNfil3は、ALSにおける運動ニューロン変性を抑制し、その結果としてALSの発症を遅延させることが明らかになった。 一方、大脳新皮質の神経細胞は神経前駆細胞から生み出される。この神経細胞への分化過程には様々な細胞外からの情報が利用されることが知られている。しかしながら従来、G蛋白質共役受容体を介したシグナリングが神経前駆細胞の運命決定に寄与しているという報告は皆無であった。 これまで私共は、GPRC5Bと呼ばれるG蛋白質共役受容体がマウス大脳新皮質の神経前駆細胞に特異的に発現していること、さらに神経前駆細胞の神経分化能に寄与することを見出した。さらに本研究により、神経分化に寄与する新たなG蛋白質共役受容体を見出した。また、誕生した神経細胞は脳表層側へと放射状移動するが、移動を開始する際にbipolar-shapeをとることが知られる。この過程にも他のG蛋白質共役受容体を介したシグナリングが重要な役割を果たしていることを見出した。このように、大脳新皮質における神経細胞の初期発生過程に、種々のG蛋白質共役受容体を介したシグナリングが重要な役割を果たしていることが示唆できた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|