2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体における神経回路の入力応答性と神経伝達調節因子による調節
Project/Area Number |
21300127
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
井本 敬二 National Institute for Physiological Sciences, 生体情報研究系, 教授 (00176512)
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Keywords | 神経細胞 / パッチクランプ / in vivo記録 / ダイナミッククランプ / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、大脳皮質・視床・小脳皮質・脊髄後角等の神経細胞を対象として、感覚刺激等の入力と神経回路内で協調して発生するスパイクとしての出力の関係を、in vivoパッチクランプ記録を含む電気生理学的計測と実験データの理論的解析を通して明らかにするとともに、神経調節因子による入出力の調節を実験的・理論的に検討することを目的としている。 平成21年度は、主に実験方法の開発を行った。 これまでに脊髄神経細胞からのin vivoパッチクランプ記録の技術が確立されているが、同様の方法を頭蓋内の神経細胞に適用し、特に生体恒常機能の保持に重要な役割を果たす脳幹部分からの記録を可能とする技術の開発を試みた。脳幹部分は、拍動性の動きがあるために、困難であるといわれていた。様々な工夫により、麻酔下でラット青斑核からのin vivoパッチクランプ記録が可能であることを示すことが出来た。 またダイナミッククランプのシステムにより柔軟性を持たせるために、従来のMS-DOSを用いたシステムから、real-time Linuxを用いたシステムへの更新を図った。この更新により大きなメモリ領域を用いた操作が可能となる。さらに神経ネットワークシミュレーションの基礎として、シナプス伝達におけるランダム性の検討を実験データに基づき行った。またツールの開発を進め、1万個程度の神経細胞からなるネットワークのシミュレーションを行う基本プログラムとその計算高速化に必要な要素の検討を行った。
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Research Products
(20 results)