2011 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロン樹状突起の維持を司る分子基盤と作動原理の遺伝学的研究
Project/Area Number |
21300143
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
榎本 和生 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 神経細胞生物学部門, 研究部長 (80300953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 桂一郎 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 神経細胞生物学部門, 研究員 (20534572)
金森 麗 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 神経細胞生物学部門, 研究員 (50534575)
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Keywords | 樹状突起 / ショウジョウバエ / 感覚ニューロン / RNAi / ライブイメージング |
Research Abstract |
ショウジョウバエ感覚ニューロン樹状突起を解析モデルとして、機能分化後のニューロンが自らの樹状突起を安定化させる分子機構の解明を行った。具体的には、我々が同定したHippo・NDRリン酸化シグナルに着目し、split-GFP法を用いて、感覚ニューロン発生-分化過程の「いつ」「どこで」Hippo-NDRが活性化されるのかを明らかにすることを目指した。昨年度までに高感度ライブイメージング・システムを確立し、空間軸・時間軸いずれにおいても高い解像度を持つ解析が可能となっている。このイメージングシステムを用いてSplit-GFP解析を行ったところ、受容領域を確立したニューロンの樹状突起先端部において明瞭なシグナルを確認できた。現在さらに詳細な時空間解析を行っているところであるが、split-GFPシグナルが発生初期には細胞体近傍に観察されるが、それが徐々に先端部へと移動しているという初歩的データを得ている。今後、我々が見いだしたデータを他の手法の導入も含めて詳細な研究を継続することにより、神経系におけるHippo-NDRシグナルの作動原理の解明につながると考えている。 並行して、Hippo-NDRシグナルの下流において働く因子群の同定を行った。具体的には、国立遺伝学研究所において作成されたショウジョウバエRNAiコレクションを活用して、ゲノムワイドスクリーニングを行った。本年度までに約2000系統コレクションのスクリーニングを終了し、樹状突起の維持に関わる候補遺伝子32個を単離した。その中から、細胞骨格系の制御に関与することが予測される5遺伝子に着目して、更なる解析を進めている。
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Research Products
(5 results)