2011 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病発症機構におけるレニン・アンギオテンシン系の役割の解明
Project/Area Number |
21300145
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Research Institution | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
Principal Investigator |
道川 誠 独立行政法人国立長寿医療研究センター, アルツハイマー病研究部, 部長 (40270912)
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Keywords | アルツハイマー病 / レニン・アンギオテンシン / アンギオテンシン変換酵素 / アミロイドベータ蛋白 / 慢性脳虚血 |
Research Abstract |
目的)本研究は、アルツハイマー病の分子病態進行におけるレニン・アンギオテンシン系の関与を明らかにするプロジェクトである。アンギオテンシン変換酵素(ACE)は、アルツハイマー病の原因分子amyloidβ蛋白(Aβ)を分解する酵素である。 背景)アンギオテンシン変換酵素(ACE)は、アルツハイマー病の原因分子amyloidβ蛋白(Aβ)を分解する酵素である。しかし、我々はACE-KoまたはACE-TgマウスとAPP-Tgマウスとの交配マウスを解析したところ、両方ともAPP-Tgマウスに比べて脳内Aβ沈着が増強することを発見した。これはACEが複数の機序でAβ代謝に作用していることを示している。一方、疫学研究ではACE阻害剤やアンギオテンシンII受容体阻害剤(ARB)が認知機能の増悪を予防するとの指摘があるが詳細は不明である。 結果)昨年度までに、ACE-Tgマウスにおけるアルツハイマー病関連分子の解析を行い、その結果ACE-Tgマウス脳では、ACE、APPレベルの増加、IDEの増加傾向、ApoEレベルの低下が見られた。ネプリライシンレベルに変化はなかった。本年度は、これらの変化をもたらす分子機構解明のために、培養細胞にAT2アゴニスト(CGP-42112)を添加したところ、APP、ApoEレベルの低下が見られた。この実験系では、angiotensinIIの添加によりAPB,ApoE発現は低下したが、AT1R拮抗薬(CGP-48933)処理では、大きな変化は見られなかった。以上から、ACEの増加、それに伴うangiotensin II(AngII)の増加は、AngII受容体の1つであるAT2受容体を介してAPP、ApoEレベル制御に作用している可能性が考えられた。マウスモデルに慢性脳虚血負荷をかけたところ、ACE発現レベル低下が見られた。慢性脳虚血は、Aβ分解作用のあるACE発現レベルを低下させることでアルツハイマー病病理を促進している可能性が考えらる。
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[Journal Article] The dissociation of Aβ from lipoprotein in cerebrospinal fluid from Alzheimer's disease accelerates Aβ42 assembly2011
Author(s)
Takamura A, Kawarabayashi T, Yokoseki T, Shibata M, Morishima-Kawashima M, Saito Y, Murayama S, Ihara Y, Abe K, Shoji M, Michikawa M, Matsubara E
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Journal Title
J.Neurosci.Res.
Volume: 6
Pages: 815-821
Peer Reviewed
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[Journal Article] Extracellular and intraneuronal HMW-Aβ oligomers represent a molecular basis of memory loss in Alzheimer's disease model mouse2011
Author(s)
Takamura A, Okamoto Y, Kawarabayashi T, Yokoseki T, Shibata M, Mouri A, Nabeshima T, Sun H, Abe K, Shoji M, Yanagisawa K, Michikawa M, Matsubara E
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Journal Title
Mol.Neurodegener.
Volume: 6
Pages: 20-35
Peer Reviewed
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