2011 Fiscal Year Annual Research Report
in vivoホールセル記録による頭部回転刺激に対する前庭ニューロンの反応特性
Project/Area Number |
21300147
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 康彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70290913)
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Keywords | 前庭神経核 / ニューロン / 膜特性 / シナプス / 眼球運動 / 前庭動眼反射 / パッチクランプ / ラット |
Research Abstract |
内側前庭神経核ニューロン(MVN)の頭部回転に対する反応特性と膜特性との関係を調べるため、生後6-8週齢のラットを、イソフルラン麻酔下において、回転台に取り付けた脳定位固定装置に固定し、ホールセル記録を行った。その結果、記録したMVNニューロンの多くは記録側と同側方向への回転のときに発火頻度を上昇させるタイプ1型の反応を示した。タイプ1型の反応を示すニューロンのうち多くは2相性のスパイク後過分極とスパイク間隔が一定で持続的な発火パターンを示した。電流通電に対して発火頻度があまり上昇しない発火パターンを示すタイプ1型のニューロンも観察された。一方、記録側と対側方向への回転に対して発火頻度を上昇させるタイプ2型の反応を示すニューロンもわずかに見出されたが、ホールセル記録を行うことが容易ではなかったため、膜特性の解析には至らなかった。また、MVNとともに視線制御に関与する舌下神経前位核(PHN)の抑制性ニューロンの特性を明らかにするため、抑制性ニューロンがヴィーナスという黄緑色の蛍光分子を発現するトランスジェニックラットを用いてスライス標本を作製し、ホールセル記録法によって調べた。蛍光を発するニューロンと発しないニューロンのAHPと発火パターンについて調べたところ、蛍光を発するニューロンでは一相性のAHP、スパイクの生成が遅れる発火パターンや発振を示す発火パターンが占める割合が高く、一方、蛍光を発しないニューロンでは二相性のAHPと発火頻度の低いパターンが多く観察された。PHNにはGABA作動性ニューロンのみならずグリシン作動性ニューロンの存在が知られていることから、ホールセル記録後RT-PCR解析を行ったところ、PHNの抑制性ニューロンはGABA作動性ニューロンかGABAとグリシン両方を持つニューロンがほとんどで、グリシン作動性ニューロンが少ないことがわかった。
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Research Products
(4 results)