2009 Fiscal Year Annual Research Report
アカハライモリの資源化とモデル動物化を支える情報・技術基盤の研究
Project/Area Number |
21300150
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
千葉 親文 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (80272152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 敬 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (20125040)
丸尾 文昭 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (30199921)
八畑 謙介 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (70302370)
外山 史 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60323317)
有泉 高史 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特任准教授 (30286166)
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Keywords | アカハライモリ / バイオリソース / 養殖 / 発生工学 / トランスジェニック / アルゴリズム / 再生 / ゲノム |
Research Abstract |
本研究では。イモリ研究の最重要課題の1つである「資源化」と「モデル動物化」に向け、アカハライモリの1.生息状況調査と養殖池の整備、2.遺伝子改変と機能評価技術の開発、3.ゲノム解析用アルゴリズムの開発に取り組む。本年度、1については、文献調査/ホームページ等を利用した聞き取り調査/現地調査によりアカハライモリの大まかな分布と系統関係を理解することができた。さらに、野外大規模養殖池の整備もほぼ完了し、アカハライモリの移入に向けて準備を整えることができた。2については、効率のよいトランスジェニックライン作製技術をほぼ確立した。さらに、遺伝的背景がそろったトランスジェニック個体を多数確保するための手段として、核移植によるクローン作製の条件を検討した。まず、UV照射による卵の核不活化条件を決定した。次に、GFP胚のアニマルキャップ細胞を用いて核移植を試行した。残念ながらまだ例数が少なく成功にはいたっていないため今後も継続する。機能評価技術については、生理学解析モデルについてはゲノムライブラリーを作製し。赤錐体視物質遺伝子のスクリーニングを開始した。再生解析モデルについては、再生誘導シグナル経路の候補分子(FGF2/FGF受容体/MEK/ERK/Pax6など)について生化学、組織化学、組織培養等により解析を進めるとともに、それらの機能を制御するトランスジェニック系統の作製に入った。3については、ゲノム解析技術の進展状況から開発中のアルゴリズムに新規性を見出すことは困難であるという判断に至った。しかし、これらのアルゴリズムがイモリのような巨大未知ゲノムの復元に適用可能かどうかは未だ不明であるため、今後も検証を継続する。さらに、アカハライモリの水晶体再生関連のESTデータが公開されたことから、これらの有効性の評価にも利用する。
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