2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21300153
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
庫本 高志 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20311409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 行弘 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (00432534)
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Keywords | 本態性振戦 / ラット / 疾患モデル / アスパルトアシラーゼ / HCN1チャネル / 下オリーブ核 / 亜系統 / ミュータント |
Research Abstract |
1)変異型HCN1チャネルの機能解析 野生型Hcn1遺伝子と変異型(A354V)Hcn1遺伝子のmRNAをそれぞれアフリカツメガエルの卵に注入し、HCN1チャネルを発現させた。卵の膜電位を-20mVから10mVずつ脱分極させ流入する陽イオンを測定した。野生型HCN1を発現した卵では、分極とともに陽イオンの流入が観察された。しかし、変異型のHCN1を発現した卵では、-80mVから-130mVまで脱分極させても、陽イオンの流入はみられなかった。 2)Aspa/Hcn1ダブルノックアウトマウスにおける本態性振戦の再構築 マウスのモデル系において、Aspa遺伝子とHcn1遺伝子のノックアウトマウスを入手し、掛け合わせによって、ダブルノックアウトマウスを作製した。このマウスは生後TRM同様の振戦を示した。 3)HCN1阻害剤誘発本態性振戦における脳興奮部位の同定 TRMRラット(Aspaは変異型ホモ、Hcn1は正常型ホモ)にHCN1チャネル阻害剤ZD7288を脳室内投与すると、TRMRラットはTRMに類似する顕著な振戦を示した。これらTRMRより脳を採取し、網羅的に脳内Fos発現を解析した結果、TRMRラットの下オリーブ核において部位特的なFos発現の上昇が認められた。さらに、TRMにおいて下オリーブ核を電気焼却したところ、TRMの振戦は顕著に抑制された。 以上の結果より、本態性振戦の遺伝要因として、Aspa遺伝子と、Hcn1遺伝子が同定され、これら遺伝子が同時に機能異常となることで本態性振戦が引き起こされることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)