2010 Fiscal Year Annual Research Report
我国で発見された新規非肥2型糖尿病マウスによる疾患モデル群樹立と原因遺伝子の特定
Project/Area Number |
21300156
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
松島 芳文 埼玉県立がんセンター, 臨床腫瘍研究所, 専門員 (10094955)
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Keywords | 2型糖尿病 / 自然発症 / 非肥満 / コンジェニック / 糖尿病性腎症 / 高脂血症 / ポジショナルクローニング / 常染色体性優性遺伝 |
Research Abstract |
本2型糖尿病マウスは、非肥満性で常染色体性優性遺伝を示す新規変異マウスである。モデルとしての有用性を高めるために原因遺伝子を明らかにする。また、本原因遺伝子を遺伝的背景の異なる8系統の近交系、4系統のアポE欠損高脂血症マウスに導入したコンジェニック糖尿病モデルセット計15系を完成させ、従来多因子疾患で解析が困難とされていた糖尿病の修飾遺伝子を明らかにするためのツールを提供する。 1.本糖尿病の原因遺伝子はマウス第8染色体のセントロメア近傍に存在することがわかり、ファインマッピングを行なった。 2.新規2型糖尿病マウスから種々のコンジェニック糖尿病モデル系の樹立を進めている。コンジェニック化の状況は以下のようである。A/J;N7,AKR;N11,KOR1;N6,JF1;N14,BALB/c;N14,C.SHL;N14,C3H/HeN;9,C3.SHL;N9,NC/Nga;N15,C57BL/6;N13,B6.SHL;N11,DBA/2;N9,D2.SHL;N10およびNC/Jic;N16である。これらのうち、C57BL/6系において腎臓の病理学的検索により、糖尿病性腎症の新規モデル樹立の可能性が認められた。 また、尿糖の出現週齢、血糖値の高低など表現型は各系統間で著明な差異が認められ、糖尿病発症に関与する修飾遺伝子を解明するための有用な糖尿病モデルセットの完成が予測された。
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