2009 Fiscal Year Annual Research Report
血流中への局所的音場形成による生体内での薬剤調合システムの開発
Project/Area Number |
21300161
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
桝田 晃司 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (60283420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 晃 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (20159213)
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Keywords | 超音波 / 薬剤調合 / マイクロカプセル / 音響放射力 / 人工血管 |
Research Abstract |
我々はこれまで,薬物キャリアとしてマイクロカプセルを用い,分岐を有する流路に対して能動的に流路選択が可能であることを示したが,直径が数十ミクロンと大きく,生体応用できないサイズであった.そこで今年度は,血球と同程度の大きさのマイクロカプセルまたはマイクロバブルを用いて,人工血管内で同様の流路選択を行うために必要なパラメータを導出した. まず,超音波透過性の良いポリエチレングリコールを使用して内径2mmのY字型分岐を有する模擬血管を作製した.次に平面型トランスデューサを様々な方向・位置に設置して,流路中に音場を形成するための実験系を構築した.そして,照射する超音波の音圧・周波数・照射角度及び位置・流速をパラメータとし,上流からカプセルの懸濁液を注入し,分岐部のカプセルの挙動をマイクロスコープを用いて観測した.その結果,Bjerknes力が生じてカプセル同士が凝集体を形成しながら目的の流路へ押し出される様子が確認された.ここで使用したカプセルの直径は平均3ミクロンであり,照射超音波の共振周波数に近いためと考えられた.流路選択性能の評価には,これまでと同様の下流領域のカプセルの影を積算することにより計測したものを用いた.その結果,様々なパラメータを調整することにより,目的側の経路へ100%に近い効率でカプセルを誘導できることが確認できた. 適切なパラメータで超音波を照射することで,血球と同程度の大きさのマイクロカプセルでも任意の流路への誘導が可能であることを確認した.次年度は動物実験を含めた生体に近い状況下で実験を継続する.
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Research Products
(2 results)