2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞機能解析バイオデバイスとしての生体親和型ポリマーナノ粒子の創製
Project/Area Number |
21300176
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 一彦 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (90193341)
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Keywords | バイオマテリアル / ポリマーナノ粒子 / 細胞機能解析 / 量子ドット / 磁性粒子 / リン脂質ポリマー |
Research Abstract |
新しい細胞機能解析バイオデバイスとしてのポリマーナノ粒子の創製を実現する。すなわち、ポリマーナノ粒子に細胞に全く認識されないリン脂質(MPC)ポリマー表面を作製し、さらに内部に簡便な分光学的方法で識別可能なプローブ(量子ドット)と回収を容易にする磁性粒子を導入する。この表面に特異的に生理活性バイオ分子を結合することで、その分子の細胞機能に与える効果のみ明確に測定・判別できるポリマーナノ粒子を創製する。これを細胞分析、分離、観察に応用することで細胞機能変化を指標として、バイオ分子の機能を解析することを目的としている。これによりマテリアルと細胞間で生じる重篤な炎症反応や生体組織の治癒過程について、バイオ分子の役割を明確にしながら解明することを目指す。生体親和型ポリマーナノ粒子の創製:48時間以上細胞系と接触した場合においても、細胞に取り込まれないナノ粒子の構造を規定し、さらにその粒径、表面電荷、表面の官能基密度などをパラメーターとした調製条件を確立した。特に粒径に関しては,10-250nmの範開を設定した。バイオアフィニティナノ粒子の創製:ナノ粒子表面に結合するバイオ分子(タンパク質)の種類を選定し、その固定化条件を決定した。その際に、バイオ分子と選択的に結合する標的分子との結合、解離常数の算出を行いパラメーターとした。その結果、表面に導入した活性エステル基は、タンパク質のアミノ基と生理条件において効率よく結合することを見いだした。また、固定化された抗体タンパク質の活性は生体中とほぼ同程度で、通常の基板に対して100倍であった。ナノ粒子の内部に蛍光標識する量子ドット、回収・分離を容易にする磁性粒子を導入する方法を検討した。これらの無機結晶は水媒体に対して分散性が悪いために、その表面が完全にポリマーマトリックス及びMPCポリマーで覆われる条件を規定するに至った。
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Research Products
(10 results)