2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞機能解析バイオデバイスとしての生体親和型ポリマーナノ粒子の創製
Project/Area Number |
21300176
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 一彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90193341)
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Keywords | バイオマテリアル / ポリマーナノ粒子 / 細胞機能解析 / 量子ドット / 磁性粒子 / リン脂質ポリマー |
Research Abstract |
新しい細胞機能解析バイオテバイスとしてのポリマーナノ粒子の創製を実現する。すなわち、ポリマーナノ粒子に細胞に全く認識されないリン脂質(MPC)ポリマー表面を作製し、さらに内部に簡便な分光学的方法で識別可能なプローブ(量子ドット)と回収を容易にする磁性粒子を導入する。この表面に特異的に生理活性バイオ分子を結合することで、その分子の細胞機能に与える効果のみ明確に測定・判別できるポリマーナノ粒子を創製する。これを細胞分析、分離、観察に応用することで細胞機能変化を指標として、バイオ分子の機能を解析することを目的としている。これによりマテリアルと細胞間で生じる重篤な炎症反応や生体組織の治癒過程について、バイオ分子の役割を明確にしながら解明することを目指す。本年度は、ナノ粒子を作成する両親媒性のリン脂質ポリマーの分子量を制御し、ナノ粒子の粒径に与える影響を明確にするとともに、表面に結合する細胞膜透過性ペプチドのシークエンスを考察した。その結果、アルギニン残基が8つ結合することが必要条件であることを見いだした。これは、これまで認められて来た事実とは異なり、細胞適合性に優れたナノ粒子であるからこそ見いだされた事実である。また、細胞適合性の評価として、粒子に起因する細胞のアポトーシスについても検討した。アポトーシスも、リン脂質ポリマーで表面を部分的に処理することでも、著しく改善されることを見いだした。細胞内におけるサイトカインの放出反応などについても基礎的な検討を行った。この結果は、次年度において詳細に検討する。
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Research Products
(8 results)