2011 Fiscal Year Annual Research Report
熱傷や消化管穿孔性腹膜炎に対する創傷被覆材としての新規高分子ナノシートの物性制御
Project/Area Number |
21300181
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
武岡 真司 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20222094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 亘人 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00245549)
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Keywords | 医用材料 / バイオマテリアル / 高分子超薄膜 / ナノシート / 交互積層膜 / 創傷被覆材 / 消化管穿孔性腹膜炎 / 熱傷 |
Research Abstract |
熱傷や消化管穿孔性腹膜炎に対する低侵襲で安全性と効果の高い治療を目指し、新しい創傷被覆材として期待されているナノシートの性状を、構造、物性ならびに動物評価試験から決定する。具体的には、臨床応用されている創傷被覆材の問題点(剥がれやすい、炎症・癒着を引き起こす、複雑な形状部位への貼付が困難)をナノシートが解決できることを示すと共に、さらに適用に応じた構造と物性を検討すると共に、ナノシートを貼付した際の創傷面の治癒過程の機序や安全性に関するin vivo評価を行った。平成23年度では、肝臓損傷やヘルニアなどのモデルに対して従来の医療材料との併用による適用効果を明らかにした。複雑な形状をした四肢の熱傷に対応できる剤形(断片化ナノシート)に関しては、大量製造方法のために裁断した犠牲膜上にナノシートを被覆する技術を検討した。II度熱傷させたマウスの背部を蛍光標識した裁断化ナノシートの分散液にて塗布し、細部まで被覆されていることを蛍光実体顕微鏡にて確認すると共に、創傷面の治癒速度、水分透過量、血球数変動、血液凝固検査を経時的に計測し、細菌感染に対する防御能ならびに治癒に対する影響を評価した。肝臓損傷やヘルニアに措置することを想定してナノシートを補強(犠牲膜補強ナノシート)した剤形を検討、スポンジ状のタココンブ、メッシュ状のセプラフィルムを肝臓損傷やヘルニアに措置することを想定し、in vivoモデルを用いた癒着防止機能に関する評価を行った。ナノシートのin vivo安全性に関しては、皮膚への貼付または腹腔内投与を続けた場合の状態観察、血液生化学的測定、各種炎症性マーカー、組織切片の電顕観察ならびに蛍光標識ナノシートを用いた貼付安定性、分解挙動などの観察結果から安全性を評価した。
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Research Products
(28 results)