2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子応答性ゲルの合成とインテリジェント医用システムの構築
Project/Area Number |
21300182
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
宮田 隆志 Kansai University, 化学生命工学部, 教授 (50239414)
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Keywords | 高分子ゲル / ヒドロゲル / 生体分子 / 刺激応答性 / 抗原抗体複合体 / 分子認識 / DDS / 架橋構造 |
Research Abstract |
本研究では,新規な医用システムを構築するためのスマートバイオマテリアルとして生体分子応答性ゲルに関する基礎と応用を検討し,本年度は以下のような成果が得られた。 (i)新規な生体分子応答性ゲルの合成 異なる抗原抗体複合体を架橋点とした2種類のネットワークが相互に絡み合った相互侵入網目(IPN)構造を有するハイドロゲルを合成した。2種類の異なる抗原抗体複合体からなるIPNハイドロゲルは,標的抗原の存在を感知して膨潤率変化を示した。 (ii)自律応答型薬物放出システムの開発 抗原応答性ゲル膜を調製し,モデル薬物として分子サイズの異なるビタミンB_<12>とヘモグロビンの透過実験を行った。抗原応答性ゲル膜は,外部溶液中に抗原が存在しない場合には分子サイズの大きなヘモグロビンの透過を抑制し,分子サイズの小さいビタミンB_<12>はわずかな透過が観察された。しかし,外部校溶液中に抗原が存在すると,ヘモグロビンの透過が観察されるようになり,ビタミンB_<12>の透過も促進された。 (iii)新規なゲル診断システムの開発 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとして量子ドット(QD)を利用し,その表面にFRETアクセプターを有する生体分子応答性ゲルの形成を試みた。しかし,ラジカル重合によるゲル形成時にQDが失活して蛍光強度が著しく低下した。したがって,QD表面に生体分子応答性ゲルを合成する方法を検討する必要があることがわかった。 (iv)自律応答型細胞培養システムの開発 基板表面上に生体分子応答性ゲル薄膜を調製する方法を検討した。その結果,原子移動ラジカル重合(ATRP)法の重合開始剤となるBrを基板表面上に導入することができた。
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[Journal Article]2010
Author(s)
宮田隆志
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Journal Title
CSJカレントレビュー01 驚異のソフトマテリアル-最新の機能性ゲル研究(日本化学会編)(化学同人)
Pages: 97-103
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[Journal Article]2009
Author(s)
宮田隆志
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Journal Title
超分子サイエンス&テクノロジー-基礎からイノベーションまで-(エヌ・ティー・エス出版)
Pages: 454-463
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