2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子応答性ゲルの合成とインテリジェント医用システムの構築
Project/Area Number |
21300182
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
宮田 隆志 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (50239414)
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Keywords | 高分子ゲル / ヒドロゲル / 生体分子 / 刺激応答性 / 抗原抗体複合体 / 分子認識 / DDS / 架橋構造 |
Research Abstract |
本研究では,新規な医用システムを構築するためのスマートバイオマテリアルとして生体分子応答性ゲルに関する基礎と応用を検討し,本年度は以下のような成果が得られた。 (i) 新規な生体分子応答性ゲルの合成 ゲル架橋点として分子複合体を導入したゲルを合成する際に,主鎖に荷電基を有する高分子を用いた場合,pHなどによってその分子応答性が異なることを明らかにした。さらに,その荷電基の状態と分子応答挙動との関係について検討中である。 (ii) 自律応答型薬物放出システムの開発 昨年度に引き続き,抗原抗体複合体を架橋点として導入したゲル膜を調製し,外部抗原濃度を変化させてモデル薬物の透過実験を行った。その結果,外部抗原濃度の増加に伴って,モデル薬物の透過速度も増加することがわかった。さらに,粒子状の抗原応答性ナノゲルの合成にも着手し始めている。 (iii) 新規なゲル診断システムの開発 原子移動ラジカル重合(ATRP)法を用いて表面プラズモン共鳴(SPR)センサーチップ表面上に生体分子コンジュゲートゲル層を形成させる条件を明らかにした。また標的生体分子がそのゲル内に吸着されると共にSPRシグナルが変化し,その膜厚とシグナル変化量との相関関係も検討した。 (iv) 自律応答型細胞培養システムの開発 基板表面上に生体分子応答性ゲル薄膜を調製する方法を検討し,原子移動ラジカル重合(ATRP)法によってゲル薄膜層を形成することができた。しかし,細胞培養に適したゲル層の形成には至らず,現在もその重合条件を検討中である。
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Research Products
(18 results)