2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体吸収性マグネシウム合金の生体内分解特性の解明と制御
Project/Area Number |
21300183
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
山本 玲子 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (20343882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 良央 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30302152)
向井 敏司 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40254429)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | マグネシウム合金 / 生体内分解特性 / 生体適合性 / 組織制御 |
Research Abstract |
近年、生体必須元素の一つであるMgに注目し、その合金を医療用生体吸収性材料として適用する試みが行われている。しかしながら、工業用Mg合金はMg以外の金属元素を多量に含んでおり、生体安全性が懸念される。そのため、主成分としてのMgに金属元素を微量に添加し、さらに材料の微細組織を制御することにより、安全性が高く、かつ材料の強度や体内における分解速度を調整可能な合金を開発した。Mg合金の臨床応用を実現するためには、合金に対する生体反応の制御因子を明らかにする必要がある。 これまでに、Mgの分解に伴い体液のpHが上昇すると周囲の組織・細胞に悪影響を及ぼす可能性があること、また生体内分解速度の早い純Mgであっても、生体吸収性高分子被覆により初期分解速度を抑制でき、細胞適合性が向上することを明らかにした。 一方、開発合金の細胞適合性は必ずしも初期分解速度のみによらず、合金組成にも依存する。合金の初期分解速度が大きいときは、培養液のpH上昇が細胞増殖抑制の主要因であり、合金の細胞適合性は初期分解速度との関係で推測可能であるが、初期分解速度の小さい合金の場合にも、細胞適合性が低い場合があることが確認された。開発した合金の初期分解速度は、いずれも同等の微細組織を有する純Mg材よりも小さいが、細胞適合性については純Mg材とほぼ同等であること、合金種によっては純Mgよりも低いことが判明した。同様の現象は工業用Mg合金についても観察されており、培養初期における材料表面特性および合金の分解に伴い形成する腐食生成物による表面特性変化の影響と考えられる。このことを明らかにするため、耐食性の低いAZ91合金をモデル材として、シラン処理により表面特性を変化させたところ、細胞適合性が向上することが確認された。デバイスとして使用する際には、同様の簡便な表面処理により生体適合性を制御可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)