2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21300196
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Research Institution | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
Principal Investigator |
中井 敏晴 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 長寿医療工学研究部, 室長 (30344170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 香弥子 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 長寿医療工学研究部, 研究員 (70399509)
神谷 直樹 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 長寿医療工学研究部, 研究員 (70610450)
岩木 直 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究グループ長 (70356525)
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Keywords | 画像診断システム / 認知症 / 加齢 / 脳機能イメージング / fMRI |
Research Abstract |
本研究開発では、認知症に到る過程や脳損傷の回復過程で見られる神経回路の応答性を非侵襲的かつ高精度で可視化する「テンソルfMRI」の基盤技術を開発し、その有用性を検証する。この手法はseeding poitに依存しないグローバルなFC解析を行おうとするものである。前年度までは、脳活動を反映するBOLD信号を使って求めたFCの網羅的な計算から3次のテンソルで緻密に表記する方法を用いていたが、臨床診断用に高速化する必要があるので予め準備された標準脳の座標系に基づく256方向等の軸計算用テンプレートを考案した。この方法では、fMRIで得た脳機能画像のボリューム数(測定点数)に関わらず、軸方向分のボリュームデータにFCが再構成されるので、データベース化に向いている。このような標準化により計算が大幅に省略され(約10^5倍)、SPM等の一般に普及している解析パッケージのプラットフォームをそのまま利用することが出来る。課題としては、標準脳への正規化による空間誤差の影響を今後検討してゆく必要があることと、特定の軸方向に対象とするボクセルをまとめるために生じる検定力の低下も想定されるが、この点についてはまだ十分評価できていない。信号の発生源を灰白質と仮定するため、白質のマスク像を使って計算量の一層の圧縮を行えば処理は一層高速化されるが、SNの面でのデメリットがあるため実用的ではないと考えられた。加齢脳機能データベースによる検証実験では、MMSEスコアの低下リスクとの関連性が推定されるage-related hyper-activationとの関係を検討した。運動認知処理課題を用いたデータ群では高次運動野を含む前頭葉でのコヒーレンスの低下が示唆された。 以上の研究に関連した事項は、平成23年度中に英文原著4報、国際脳マップ会議等での国際会議発表8報、国内学会発表5報として発表された。
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